ドジャース・大谷翔平投手(30)が野球選手として初めて広告収入だけで1億ドル(約149億円)を超える見込みだと19日(日本時間20日)、米スポーツビジネスニュースサイト「スポーティコ」が報じた。野球界に限らずとも過去に広告収入1億ドル超えはプロゴルファーのタイガー・ウッズら3人しかおらず、また一つ勲章が加わった。カブスとの開幕シリーズで日本中に熱狂を生んだドジャースはロサンゼルスに到着。27日(同28日)のタイガース戦で本拠地開幕戦を迎える。
開幕シリーズの主役の座を当然のように奪った大谷。19日のカブスとの開幕第2戦(東京D)で今季1号を放ち、前例がないほどのフィーバーは続いていくばかりだが、今度は誰もが気になる“お財布事情”が明らかになった。
米メディア「スポーティコ」は、大谷が、所属チームからの年俸などを除いた広告収入だけで今年、1億ドル(約149億円)となる見込みであることを報じた。20社以上と広告契約を結び、来日したド軍同僚も驚くほど日本中には大谷の広告があふれる。MLB選手の過去の広告収入の最高額はジーター(元ヤンキース)、イチロー(元マリナーズなど)の約1000万ドル(約15億円)とされており、一気に約10倍にまで上り詰めた。
天文学的数字はまさに偉業だ。MLBに限らずとも広告収入で1億ドルに到達したプロスポーツ選手は、ゴルフのT・ウッズ、テニスのR・フェデラー、NBA(バスケットボール)のS・カリーの3人だけ。人気の国や地域が限定されている野球選手にもかかわらず、すっかり世界のスポーツ界の顔となった。
大谷は昨季からドジャースと10年総額7億ドル(約1022億円=契約発表時のレート)のメガ契約を結んだ。1年平均で換算した場合は7000万ドル(約104億円)で、広告収入と合わせると1億7000万ドル(約253億円)にもなる。だが、実際には年俸の約97%を10年契約終了後にもらう後払い契約のため、年俸は200万ドル(約3億円)で、総年収自体は1億200万ドルに抑えられる。それでも、同メディア調べのMLB長者番付では、今季からMLB史上最高額の15年総額7億6500万ドル(約1170億円=契約発表時のレート)の契約をメッツと結んだソトの1億2890万ドル(約192億円)に次ぐ、2位となった。
MLBのインスタグラムのフォロワー数でも、2位のトラウト(エンゼルス)の224万人を大きく上回る911万人と、圧倒的な影響力と発信力を誇っている。記事中、大谷の代理人を務めるネズ・バレロ氏は広告起用は大谷自身になじみのあるものに絞っているとし「ゲームプランは非常に慎重かつ戦略的に練っている。翔平をどのようにキャンペーンで起用するか、調整することが重要」と説明した。
二刀流という前代未聞の道を進み、グラウンドでは多くの偉業を成し遂げてきた大谷。生み出す金額もまた、ケタ違いだ。
◆大谷が契約を結ぶ主な企業 ニューバランス(スポーツ用品)、日本航空(航空)、West Point Investment(投資)、西川(寝具)、興和(総合商社)、ポルシェ(自動車)、SEIKO(時計)、コーセー(化粧品)、ファナティクス(グッズ販売)、HUGO BOSS(ファッション)、オークリー(サングラス)、ディップ(人材サービス)、伊藤園(お~いお茶=飲料)、日清製粉ウェルナ(食品)、Beats(オーディオ)、ラプソード(野球データ測定)、コナミデジタルエンタテインメント(ゲーム)、ECC(英会話)、三菱UFJ銀行(金融)、Salesforce(ソフトウェア)、Topps(野球カード)、ファミリーマート(コンビニ)
カブス戦後チャーター機で出発→ロス到着
ドジャースは19日(日本時間20日)、米ロサンゼルスに到着した。山本由伸投手(26)は、インスタグラムに上空からの写真とともに米国入りを報告。19日午後9時55分に東京Dでカブス戦が終わり、大会主催者によると、20日午前2時42分発のチャーター機で羽田空港から出発したという。23日(同24日)から3試合オープン戦を行い、27日(同28日)のタイガース戦で本拠地開幕戦を迎え、再スタートを切る。
一方、カブスは20日午前1時43分羽田空港発の航空機でアリゾナ州メサのキャンプ地に戻った。今後はオープン戦5試合を消化し、27日の敵地・Dバックス戦に備える。
ド軍は開幕シリーズ2連勝と好発進。体調不良で途中帰国したベッツ、左脇腹を痛め2試合連続で欠場したフリーマンも27日の本拠地開幕には間に合う可能性が高い。大谷は2月25日を最後にブルペン入りしないなど投手調整のスピードを落としたが、3月中に投球練習を再開し、前半戦での投手復帰を目指していくことになりそうだ。