広島出身のバレリーナ森下洋子さんが、戦後80年を迎える今年、平和への強い決意を新たに表明しました。76歳の彼女は、原爆の影響を受けた家族の歴史を背負いながら、バレエを通じて平和のメッセージを伝え続けています。
森下さんは、広島で被爆した祖母と母を持つ「被爆2世」として、自身の人生をバレエに捧げてきました。幼少期から戦争や原爆の影響を身近に感じ、祖母の苦しみを目の当たりにした彼女は、「こんなことがあってはならない」との思いを抱いて育ちました。その思いが、彼女の平和への決意の原点となったのです。
「バレエは人生そのもの」と語る森下さんは、1974年に日本人として初めて国際コンクールで優勝し、世界の舞台で主役を踊る日本を代表するバレリーナとしての地位を確立しました。彼女は、40代から50代で引退するバレリーナが多い中、今もなお主役として踊り続けています。
「戦争はあってはならないことです。人と人が助け合い、思いやりを持つことで、核兵器は必要なくなる」と強調する森下さん。彼女は、バレエを通じて夢や希望、勇気を届け、平和の大切さを訴え続けることを使命として捉えています。
戦後80年を迎え、世界では再び戦争の足音が聞こえる中、森下さんのメッセージはますます重要性を増しています。彼女の踊りは、平和の祈りそのものであり、未来への希望を示すものです。森下さんは「平和を祈り、踊り続ける」との強い決意を持ち続け、今後もその思いを舞台で表現し続けることでしょう。