冬の広島を舞台に中学生から社会人までのランナーがたすきをつなぐ都道府県対抗の全国男子駅伝が19日に行われ、長野が大会新記録のタイムで史上初の4連覇を果たしました。長野は大会最多を更新する11回目の優勝です。千葉が過去最高の2位に、3位は福島でした。記事後半ではレースの経過、すべての結果を詳しくお伝えしています。
目次
- 長野が史上初の4連覇 大会新記録をことしも更新
- 長野 高見澤勝監督「歴史を作ってくれた多くの方々のおかげ」
レースは【NHKプラスで配信中】(2025年1月26日まで)↓↓↓
【NHKプラスで配信中】ゲストに俳優の和田正人さん(高知県出身 箱根駅伝の出場経験も)長野が史上初の4連覇 大会新記録をことしも更新
ことしで30回目の全国男子駅伝は広島市の平和公園前をスタートとフィニッシュに、各都道府県代表の中学生から社会人までのランナーが7区間48キロのコースでたすきをつなぎました。
長野1区・濱口大和選手がトップで2区へ
長野は1区で去年12月の全国高校駅伝で2連覇を果たした佐久長聖高校の濱口大和選手が区間記録に迫るタイムでトップでたすきを渡しました。
長野5区・佐々木哲選手(右) 首位に再浮上
このあと順位を落としたものの、5区で、トップと26秒差の4位でたすきを受けた佐久長聖の佐々木哲選手がこれまでの区間記録を20秒更新する快走を見せ、3人を抜いて再びトップに立ち、2位に1分4秒の差をつけてたすきをつなぎました。
長野はこの後、安定した走りでリードを守り、去年作った大会記録をさらに5秒更新する2時間16分55秒のタイムで、史上初の4連覇を果たしました。長野は大会最多を更新する11回目の優勝です。千葉が2時間17分39秒で2位となり過去最高の順位をマークしました。3位は4区までトップだった福島で、4位に地元の広島が入りました。
長野 高見澤勝監督「歴史を作ってくれた多くの方々のおかげ」
長野の高見澤勝監督は史上初の4連覇について「選手たちの頑張りやサポートをしてくれた皆さんのおかげでもあるが、ここまで長野チームの歴史を作ってくれた多くの方々のおかげだ。感謝している。5区で区間新記録をマークした佐々木哲選手の走りが優勝の決め手となった」と話しました。来年に向けて「長野チームは常に優勝を目指している。1年、1年が勝負なので、次も勝てるチームを作れるように頑張っていきたい」と早くも5連覇を見据えていました。
長野 アンカー 伊藤大志選手「すごく光栄で感無量」
長野のアンカー、早稲田大4年の伊藤大志選手は「強豪チームのアンカーでプレッシャーがありましたが楽しみに変えて走ることができました。すごく光栄で感無量です。大きな差をつけてたすきをつないでくれた後輩たちやサポートしてくださった先生方に感謝しています。大きな経験をさせてもらったので、今後の自分の強さに生かせるようにやっていきたい」と話していました。
- 注目
《最終結果(全チーム)》 長野 アンカー 伊藤大志選手
▽1長野 2:16:55 ★4連覇 大会新記録▽2千葉 2:17:39▽3福島 2:18:02▽4広島 2:18:12▽5埼玉 2:18:20▽6佐賀 2:18:25▽7福岡 2:18:57▽8京都 2:18:58▽9大阪 2:19:01▽10兵庫 2:19:05
▽11東京 2:19:15▽12熊本 2:19:39▽13群馬 2:19:40▽14宮城 2:19:46▽15茨城 2:19:48▽16宮崎 2:19:56▽17長崎 2:20:24▽18岡山 2:20:27▽19神奈川 2:20:33▽20和歌山 2:20:38
▽21鹿児島 2:20:49▽22愛知 2:21:01▽23静岡 2:21:07▽24栃木 2:21:08▽25青森 2:21:12▽26三重 2:21:26▽27福井 2:21:30▽28山口 2:22:13▽29岐阜 2:22:29▽30北海道 2:22:36
▽31新潟 2:22:42▽32大分 2:22:45▽33鳥取 2:22:47▽34愛媛 2:22:54▽35奈良 2:22:57▽36山形 2:23:20▽37徳島 2:23:25▽38岩手 2:23:33▽39山梨 2:23:33▽40秋田 2:23:56
▽41富山 2:24:02▽42滋賀 2:24:10▽43島根 2:24:15▽44高知 2:24:15▽45香川 2:24:51▽46沖縄 2:26:09▽47石川 2:28:13
- 注目
◇◇区間賞◇◇
▽1区:濱口大和(長野・佐久長聖高)19分33秒▽2区:稲垣翔馴(神奈川・KERT)8分21秒▽3区:塩尻和也(群馬・富士通)23分36秒▽4区:森本守勇(福岡・大牟田高)14分5秒▽5区:佐々木哲(長野・佐久長聖高)23分32秒★区間新記録▽6区:小笠原慶翔(埼玉・川口芝東中)8分36秒▽7区:菊地駿弥(広島・中国電力)36分58秒
《歴代優勝チーム(全て紹介)》 4連覇を果たした長野チーム
▽30回(2025年)長野 2:16:55 ★大会新記録▽29回(2024年)長野 2:17:00▽28回(2023年)長野 2:17:10▽27回(2022年)大会中止▽26回(2021年)大会中止▽25回(2020年)長野 2:17:11▽24回(2019年)福島 2:19:43▽23回(2018年)埼玉 2:19:10▽22回(2017年)長野 2:19:09▽21回(2016年)愛知 2:20:12
▽20回(2015年)埼玉 2:19:14▽19回(2014年)長野 2:19:20▽18回(2013年)兵庫 2:19:51▽17回(2012年)兵庫 2:20:19▽16回(2011年)栃木 2:19:31▽15回(2010年)兵庫 2:20:02▽14回(2009年)長野 2:18:43▽13回(2008年)長野 2:21:06▽12回(2007年)兵庫 2:19:40▽11回(2006年)長野 2:20:23
▽10回(2005年)長野 2:20:02▽9回(2004年)長野 2:20:08▽8回(2003年)福岡 2:19:06▽7回(2002年)福岡 2:19:54▽6回(2001年)愛知 2:20:07▽5回(2000年)鹿児島 2:19:52▽4回(1999年)兵庫 2:16:50▽3回(1998年)福岡 2:18:15▽2回(1997年)京都 2:16:36▽1回(1996年)広島 2:17:34
==レース経過【詳しく】==
12:30
【1区(7km)】スタート
全国男子駅伝は、午後0時半に広島市の平和公園前からスタートしました。中学生から社会人までの7人のランナーが48キロのコースでたすきをつなぎます。
気象コンディション(正午現在)
▽天候:晴れ ▽気温:8.8度 ▽湿度:56% ▽風向:北西 ▽風速0.7m/S
【1区【7km)】中間点は兵庫 福島 長野などが集団
レースは1区の中間点となる3.5キロをすぎ、兵庫、福島、長野などが集団で先頭を走っています。
◆1区 中間点3.5km 通過順位(上位5位)
▽1兵庫▽2福島▽3長野▽4高知▽5京都
【1区→2区(3km)】長野が宮城と競り合い制し2区へ
1区を終えて、4連覇をねらう長野がトップに立っています。3秒差で2位に宮城、3位は福島です。2区は3キロ区間で、中学生が走ります。
◆1区→2区 通過順位(上位5位)
▽1長野▽2宮城▽3福島▽4兵庫▽5大阪
1区 区間賞は濱口大和(長野)
濱口大和(長野・佐久長聖高)19分33秒濱口大和 選手「12月の全国高校駅伝では1区を走って4位で悔しかったので、区間賞を目指して走りました。いろいろな方々が『長野、頑張れ』と声をかけてくれましたし、4連覇がかかるレースなので強い気持ちを持ってラストスパートをかけました」
【2区→3区(8.5km)】長野がトップ 福島 宮城が続く
レースは2区を終えて長野がトップをキープしています。2位は3秒差で福島、3位に宮城、4位は兵庫です。3区は8.5キロのコースで、レース序盤の勝負どころです。
◆2区→3区 通過順位(上位5位)
▽1長野▽2福島▽3宮城▽4兵庫▽5京都
2区 区間賞 稲垣翔馴(神奈川)
稲垣翔馴(神奈川・KERT)8分21秒
【3区(8.5km)】6.8キロ地点 福島が逆転 熊本などが集団に
福島の谷中晴選手がトップの長野を逆転し、引き離しています。2位グループには長野のほか熊本、埼玉、青森、大阪で競り合っています。
◆3区 6.8km地点 通過順位(上位5位)
▽1福島▽2熊本▽3埼玉▽4長野▽5青森
【3区→4区(5km)】福島が逆転トップに 熊本が2位浮上
レースは3区を終えて福島が長野を抜いてトップに立っています。2位は7秒差で熊本、3位は大阪です。長野は7位まで順位が下がりました。4区は5キロのコースで高校生が走ります。
◆3区→4区 通過順位(上位5位)
▽1福島 52:21▽2熊本 52:28▽3大阪 52:35▽4佐賀 52:36▽5青森 52:38
3区 区間賞は塩尻和也(群馬)
塩尻和也(群馬・富士通)23分36秒
【4区→5区(8.5km)】福島トップ守り5区へ 福岡 佐賀が浮上
レースは4区を終えて、福島がトップをキープしています。2位は25秒差で福岡、3位は佐賀、4位が長野となってます。5区は8.5キロのコースで高校生が走ります。
◆4区→5区 通過順位(上位5位)
▽1福島 1:06:31▽2福岡 1:06:56▽3佐賀 1:06:57▽4長野 1:06:57▽5大阪 1:07:00
4区 区間賞は森本守勇(福岡)
森本守勇(福岡・大牟田高)14分5秒
【5区(8.5km)】2キロすぎ 長野が再び首位に
レースは5区の2キロすぎで、長野・佐久長聖高校の佐々木哲選手が福島の選手を抜いてトップに立ちました。
【5区(8.5km)】中間点 長野が首位 福島 佐賀 長崎が続く
レースは4区の中間点の4キロ余りをすぎ、長野がトップに立っています。2位は22秒差で福島、3位は佐賀、4位は福岡となっています。
◆5区 中間点 通過順位(上位5位)
▽1長野 1:18:39▽2福島 1:19:01▽3佐賀 1:19:16▽4福岡 1:19:16▽5大阪 1:19:35
【5区→6区(3km)】長野が首位で6区へ 後続との差を広げる
レースは5区を終えて長野・佐久長聖高校の佐々木哲選手が区間記録を更新する走りを見せてトップに立ちました。2位は1分4秒差で佐賀、3位には千葉が鈴木琉胤選手(八千代松陰高)の11人抜きの快走で浮上してきました。6区は3キロの区間で中学生が走ります。
◆5区→6区 通過順位(上位5位)
▽1長野 1:30:29▽2佐賀 1:31:33▽3千葉 1:31:48▽4福岡 1:31:54▽5埼玉 1:31:57
5区 区間賞は佐々木哲(長野)区間新記録で
▽1佐々木哲(長野・佐久長聖高)23分32秒★区間新記録▽2鈴木琉胤(千葉・八千代松陰高)23分46秒★区間新記録◆これまでの区間最高記録:23分52秒◆吉岡大翔【長野】28回(2023年)
区間新 長野・佐々木哲「終わってから後悔しないよう走った」
これまでの区間記録を20秒更新した長野の佐久長聖高校の佐々木哲選手は「前だけを見て、終わってから後悔しないように走りました。高校生活3年間の集大成となるレースで有終の美を飾ることができてよかったです。きょうの走りが今まで支えてくれた人たちに届いていればいいと思います」と話していました。
区間新 千葉・鈴木琉胤「前にいた人を1人ずつ追った」
5区で佐々木哲選手に次いで、区間2位の走りで区間記録を6秒更新した千葉の八千代松陰高校の鈴木琉胤選手は「前にいた人を1人ずつ追っていきました。区間賞をねらっていたので少し残念です。同じ大学に進学する佐々木選手とは、これから切磋琢磨(せっさたくま)していきたい」と話していました。
【6区→7区(13km)】長野が首位で7区へ 埼玉 福岡 千葉が追う
レースは6区を終えて長野がトップをキープしています。2位は1分25秒差で埼玉、3位は福岡となっています。最終7区は13キロで「逆転の7区」とも言われています。大学生と社会人が走ります。
◆6区→7区 通過順位(上位5位)
▽1長野 1:39:08▽2埼玉 1:40:33▽3福岡 1:40:36▽4千葉 1:40:39▽5福島 1:40:47
6区 区間賞は小笠原慶翔(埼玉)
小笠原 慶翔(埼玉・川口芝東中)8分36秒
【7区(13km)】5.2km地点 通過順位(上位10位)
▽1長野 1:54:03▽2千葉 1:55:31▽3埼玉 1:55:40▽4福岡 1:55:41▽5福島 1:55:41▽6佐賀 1:55:56▽7広島 1:56:01▽8兵庫 1:56:06▽9宮城 1:56:21▽10京都 1:56:32
【7区(13km)】9km地点 長野が独走
長野のアンカー、伊藤大志選手(早稲田大)が大きなリードを保ったまま、4連覇に向けてフィニッシュ地点を目指しています。
【7区(13km)】9km地点 通過順位(上位5位)
▽1長野 2:05:05▽2千葉 2:06:11▽3埼玉 2:06:36▽4福島 2:06:36▽5広島 2:06:44
【7区(13km)】フィニッシュ 長野が史上初の4連覇
長野は最後までリードを守り抜きました。大会新記録の2時間16分55秒のタイムで史上初の4連覇を果たしました。大会最多を更新する11回目の優勝です。
過去最高の2位でゴール 千葉・アンカー羽生拓矢選手
2位は千葉で過去最高順位です。3位には福島が入りました。4位には順位を5つ上げた地元・広島、5位に埼玉、6位に佐賀、7位に福岡、8位に京都が続きました。
7区 区間賞は菊地駿弥(広島)
菊地駿弥(広島・中国電力)36分58秒
4連覇達成 長野 高見澤勝監督《コース紹介》
広島市の平和公園前をスタートとフィニッシュに中学生から社会人までのランナーが7区間48キロのコースでたすきをつなぐレース。コースを紹介します。
▽1区(7km)高校生.第5回大会から、平和公園からのスタートとなった。平和大通りから宮島街道に入る平たんなコース。毎年、全国高校駅伝で「花の1区」を走ったランナーたちを中心に、全国トップクラスの争いが繰り広げられる。◆区間最高記録:19分31秒◆川原琉人【長崎】29回(2024年)▽2区(3km)中学生.宮島街道を西に向かうフラットなコース。レース序盤でペースをつかむために大切な区間。ことしも中学生ランナーの熱い走りに期待。◆区間最高記録:8分14秒◆石田洸介【福岡】23回(2018年)▽3区(8.5km)大学・社会人.宮島街道を西に向かい、宮島口に至るコース。5キロ過ぎからアップダウンがあり、レース序盤の勝負どころ。順位が大きく変動する区間である。◆区間最高記録:23分22秒◆葛西潤【大阪】29回(2024年)▽4区(5km)高校生.宮島口からさらに西に向かい、1.7km付近で折り返すフラットなコース。高校生区間の中では最も短いこの区間では、スピード勝負となる。◆区間最高記録:14分02秒◆山口竣平【長野】28回(2023年)▽5区(8.5km)高校生.レースの大きな山場となる、高校生区間としては最も長い区間。たすきを受けてすぐにアップダウンがある。◆区間最高記録:23分52秒◆吉岡大翔【長野】28回(2023年)▽6区(3km)中学生.宮島街道を東に向かうフラットなコース。レース終盤、順位をキープしながら確実にアンカーにたすきを渡すために、大切な区間。◆区間最高記録:8分22秒◆吉岡大翔【長野】25回(2020年)▽7区(13km)大学・社会人.全コースの27%を占める長丁場の7区。宮島街道から平和大通りに帰ってきたランナーは、フィニッシュ前をいったん通った後、広島市の中心部をぐるっと1周して平和公園のフィニッシュを目指す。大小10の橋を渡り、細かなアップダウンが続く。毎年、この7区で数々のドラマがあり「逆転の7区」とも言われる。◆区間最高記録:36分52秒◆鈴木芽吹【長野】29回(2024年)
【動画で】コース紹介・俳優の和田正人さんメッセージも【豆知識】「ふるさと制度」
社会人や大学生のランナーが出身中学や出身高校がある都道府県の代表として大会に出場することができます。この制度では1チームにつき1つの区間まで出場できることになっています。
《注目チーム オーダー》
【長野】▽1区:濱口大和(佐久長聖高)▽2区:増田大誠(真田クラブ)▽3区:吉岡大翔(順天堂大)▽4区:石川浩輝(佐久長聖高)▽5区:佐々木哲(佐久長聖高)▽6区:中澤侑己(堀金中)▽7区:伊藤大志(早稲田大)【千葉】▽1区:阿部宥人(西武台千葉高)▽2区:上杉創亮(常盤松中)▽3区:小澤大輝(富士通)▽4区:松村達也(八千代松陰高)▽5区:鈴木琉胤(八千代松陰高)▽6区:中村碧吹(松戸六中)▽7区:羽生拓矢(トヨタ紡織)【熊本】▽1区:椙山一颯(九州学院高)▽2区:岩田健志(フィオーレAC)▽3区:鶴川正也(青山学院大)▽4区:一ノ瀬來祈(九州学院高)▽5区:増永一心(開新高)▽6区:野口琉太(フィオーレAC)▽7区:井川龍人(旭化成)
《レース 見どころ》
優勝争いは去年、大会新記録のタイムで2回目の3連覇を果たした長野を軸に、熊本や千葉などが追う展開になりそうです。長野は、去年12月に行われた全国高校駅伝で2連覇を果たした佐久長聖高校のメンバー3人が出場する予定で、史上初の4連覇と大会最多を更新する11回目の優勝を目指します。18日は、広島市で47都道府県の代表チームが参加して開会式が行われました。選手宣誓で滋賀のキャプテン、梶谷優斗選手が「阪神・淡路大震災から30年が経過し、ことしは広島に原爆が投下されてから80年になります。さまざまな節目を迎える中で、ふるさとのユニフォームを着て走れることを誇りに思い、未来の平和へのたすきをつなぐことを誓います」と述べました。
【詳しくはこちら】全国女子駅伝 京都が優勝 3年ぶり19回目2025年1月12日【詳しくはこちら】箱根駅伝 青山学院大が2年連続の総合優勝 大会新で2025年1月3日【詳しくはこちら】全国高校駅伝 男子 佐久長聖(長野)が優勝 2年連続4回目2024年12月22日