次々と報道される有名人の結婚離婚。その背景にある心理や世相とは? 夫婦関係を長年取材し『夫の不倫がどうしても許せない女たち』(朝日新聞出版)など著書多数の亀山早苗さんが読み解きます。(以下、亀山さんの寄稿)
不倫の源田選手、妻に「弁護士と話してほしい」LINE送信と報道
昨年12月に不倫問題が明らかになった、プロ野球・西武ライオンズの源田壮亮内野手(31歳)に関して続報が出ている。 妻で元乃木坂46の衛藤美彩(32歳)が連絡をとろうとしてもとれずにいたところ、源田選手から「弁護士と話してほしい」とLINEで伝えてきたというのだ(『東スポWeb』1月7日記事より)。 いわゆる「有責配偶者」は源田選手のほう。妻に直接、謝罪したかどうかはわからないが、今後のことを弁護士と話してほしいと言われたら、妻としては相当なショックだろう。そもそも仲のいい夫婦で、ふたりでの露出も多かっただけに、もしもこれが事実で、源田選手が離婚するつもりなのだとしたら、あまりにも過酷な対応だ。
不倫した夫側からの決別か?
源田選手の不倫問題は、相手が銀座の高級クラブで働く20代後半の女性で1年にわたって関係があること、国内のみならず国際大会で台湾に行ったときも密会していたことが明らかになっている。 当時、源田選手は不倫を認め、「魔が差した」「プレッシャーが大きかった」などと釈明していた(『週刊文春』12月26日号より)。ところが発覚後は自宅にも戻らず、自主トレも非公開だという。 もちろん犯罪性があるわけでもなく、夫婦間の問題だからメディアの前に登場する必要もないだろう。
源田選手自身、迷いや葛藤もあるはずだ。 それにしても、こういうとき、夫側には「妻との結婚生活の歴史」が脳裏を巡らないものだろうか。このふたり、2019年に結婚してから不妊治療を経て22年1月に長男、23年12月に切迫流産の危機を乗り越えて長女を授かっている。だが長女が誕生した前後で夫の不倫が始まっているのだから、「夫」「父親」としてより「男」であることを優先させたとしか思えない。 もちろん、結婚していても恋に落ちることはある。離婚して再婚するケースもあるだろう。それはやむを得ないことかもしれない。だが、彼のやり方は、(おそらく)夫を信頼していた妻のその気持ちをぶったぎるようなものではなかったか。 不倫相手が精神的に不安定だからと、ゴールデングラブ賞の授賞式のときに結婚指輪を外して出席することを彼女に約束し、それを実行した。妻だって授賞式を見ていたかもしれない。いきなり結婚指輪を外して参列していた夫を見て、妻はどう思っただろう。源田選手にとっては、妻より彼女のほうに思いがいっていたのだろうが、だからこそ妻への配慮をするべきではなかったか。