大谷翔平、3度目のシャンパンファイトも多くの選手がたしなむものは「試してない」

◆米大リーグ ナ・リーグ優勝決定シリーズ第6戦 ドジャース10―5メッツ(20日、米カリフォルニア州ロサンゼルス=ドジャースタジアム) ドジャース・大谷翔平投手(30)が20日(日本時間21日)、3勝2敗で突破に王手をかけたナ・リーグ優勝決定シリーズ第6戦の本拠地・メッツ戦に「1番・指名打者」でフル出場し、4打数2安打1打点の活躍を見せ、チームも逆転勝ちして、ヤンキースとのワールドシリーズ進出、4年ぶりのリーグ優勝を決めた。 1点を追う初回先頭の1打席目に、第2戦で3打数無安打に抑え込まれた先発左腕・マナイアから中前安打を放つと、1死一、三塁でエドマンの逆転2点適時二塁打につなげた。チームはそのまま逃げ切って4勝目。大谷は同シリーズで全6試合に「1番・指名打者」でフル出場し、22打数8安打の打率3割6分4厘、2本塁打、6打点の成績を残した。ポストシーズンの1シリーズでは球団史上最多となる17出塁(2本塁打、6単打、9四球)の記録も樹立した。 試合後には地区優勝、地区シリーズ突破に続いて3度目となるシャンパンファイトで、ロバーツ監督らと美酒を掛け合って大興奮だった大谷。シャンパンファイト中に多くの選手は葉巻をたしなむが、大谷は「試していないですね」と苦笑い。あと1回のシャンパンファイトとへ向けて「何回やっても本当にいいもの。最後もう1回これをやって終わりたいという気持ちです」と声を弾ませていた。

大谷翔平が導いたワールドシリーズ 17出塁はPS球団新記録…打率・364で四球が6戦で9個

ドジャース・大谷翔平(AP) ◆米大リーグ ナ・リーグ優勝決定シリーズ第6戦 ドジャース10―5メッツ(20日、米カリフォルニア州ロサンゼルス=ドジャースタジアム) ドジャース・大谷翔平投手(30)が20日(日本時間21日)、3勝2敗で突破に王手をかけたナ・リーグ優勝決定シリーズ第6戦の本拠地・メッツ戦に「1番・指名打者」でフル出場し、4打数2安打1打点の活躍を見せ、チームも逆転勝ちして、ヤンキースとのワールドシリーズ進出、4年ぶりのリーグ優勝を決めた。 シリーズMVPこそ27打数11安打の打率4割7厘、1本塁打、11打点と大当たりだったエドマンに譲ったが、チームに勢いをもたらしたのは大谷だったと言っても過言ではない。第1戦では2回の2打席目に、千賀からリードを広げる適時打。第3戦はダメ押しの3ラン、第4戦は先頭打者本塁打を放った。3勝2敗となった第5戦も、1点を追う1打席目に安打を放って逆転につなげた。22打数8安打の打率3割6分4厘、2本塁打、6打点。四球は6試合で9個選び、シングル安打6、本塁打2、四球9の17出塁はドジャースのポストシーズン1シリーズで最多記録を更新した。 大谷は試合後「本当に楽な試合がなかったというか、初戦からここまで、本当に全員の力で、素晴らしいゲームだったなと思います」と喜びを口にしながら、ヤンキースとのワールドシリーズへ「僕がずっと出たいな、プレーしたいなと思っていましたので、今この瞬間から、そこを目指して、そこを勝つだけだと思って切り替えて頑張りたいなと思います」と気を引き締め直していた。

大谷翔平の最大の変化 真美子夫人と歩んだシーズンがもたらしたもの

メジャー、NPB12球団の担当記者が「2024 A WORD」と題し、今季印象に残った言葉から当時を振り返る。 * * * * 54本塁打、130打点の2冠王に輝き、3冠王を最後まで争った9月29日のレギュラーシーズン最終戦だった敵地・ロッキーズ戦終了後。クラブハウス外の通路で行われたシーズンを総括する囲み取材の中で、大谷は真美子夫人と結婚して初めて迎えたシーズンだったことについて問われ、こう答えた。 「1人でいるよりも、野球以外を考える時間が多くなった。それがいい方向に自分の中で、よりグラウンドにいる時に野球に集中できるようになったのかなと思う。そこはもちろん感謝したいなと思います」 大谷といえば、野球に誰よりも没頭し、生活の全てを野球に注ぎ込んできたイメージが強い。日々取材していると、クラブハウス内ではスマホを操作し、ちょっとジャンキーそうなハンバーガーを食べるなど人間らしい一面も見られたが、もちろん全ての中心は野球。毎日10時間ほど寝て、遠征中も外出を極力控えるなど、グラウンド外での話はこれだけ注目されながらほとんど聞こえなかった。 そんな大谷が「野球以外を考える時間が多くなった」という今季。真美子夫人の存在、サポートが大きかったこともあるだろう。野球以外に神経を使うということは大谷にとってストレスになる可能性があったが、「集中できるようになった」とまで言って、変わらぬ活躍を見せたことは、今季の大谷の最大の変化だった。 今年7月には30歳になった大谷。誕生日直後には「技術的にはもちろんそうですけど、フィジカルの面も毎年よりいい状態で臨めているとは思う。年齢は数字だけ」と話していた。打撃技術が年々向上していることは数字が示し、59盗塁したように体力面でも伸びしろがある。 今季は山本らチームメートと外食に行く機会も作るなど、リーダー的存在としての自覚も出てきた。心身ともにまだまだ成長を続けているような気がしてならない。(MLB担当・安藤 宏太)