与田剛さんに聞く「日本シリーズのキーマン」

プロ野球の日本シリーズは、パ・リーグがファイナルシリーズを3連勝で勝ち上がってきたソフトバンク、セ・リーグは3位からクライマックスシリーズを勝ち上がってきたDeNAという顔合わせとなりました。その日本シリーズの展望をNHKプロ野球解説の与田剛さんに聞きました。 ソフトバンクにDeNAはどう挑む (与田剛さん) 「強いですねソフトバンクは隙がないですね。それだけ強いと言われているところを、DeNAはどうやってやっつけるか」 ソフトバンクとDeNAの対戦となったことしの日本シリーズの率直な印象を与田さんはこう語りました。その上で、両チームのキーマンについて聞きました。 ソフトバンク 近藤健介選手の起用は? まずはクライマックスシリーズで無傷の3連勝と圧倒的な強さでリーグ優勝のソフトバンクについてです。 (写真)日本シリーズ進出を決めて喜ぶソフトバンクの選手たち (与田剛さん) 「シーズンを通してこのクライマックスシリーズもそうなんですが、弱点を探すのが大変です。山川選手にホームランがありますから、多少点取られてもというぐらいの余裕が持てる。投手でも素晴らしい選手が多い(チーム防御率リーグトップ)ので、全てのレベルが非常に高いですね」 投打に群を抜くチームという評価をしている与田さんが、このシリーズのキーマンと見ているのが近藤健介選手です。 今シーズンの首位打者に輝いた近藤選手はシーズン終盤けがで戦列を離れましたがクライマックスシリーズに指名打者で復帰しました。3試合で11打数6安打、ホームラン1本と、その実力をいかんなく発揮しました。 その上で与田さんがポイントと考えるのは日本シリーズならではの起用法です。 (与田剛さん) 「初戦セ・リーグのホームから始まるということは、DH制のない戦いになります。こういうところが注目になると思います。怪我をして復帰してきましたけれどもおそらくまだ動きを見ると万全ではないなという感じがします。守備につかなければいけない、そういったゲームの時に小久保監督がどのような起用をしていくのか。代打にするとかそういうような起用もあるかもしれません」 DeNA 足が使える梶原昂希選手 続いてDeNAです。リーグ3位から激闘を制して勝ち上がってきたDeNAが26年ぶりに日本一になるためのキーマンを与田さんは梶原昂希選手と見ました。 (与田剛さん) 「足も速くてホームランも打てる、長打力もある。私はピッチャー出身なので非常に嫌な選手です」 梶原選手はシーズン後半に1番に定着して、3割に迫る打率、盗塁数はリーグ2位とチームを引っ張りました。 以前、NHKが巨人の菅野智之投手にインタビューした際にも「ピッチャーとして警戒している」と話していた選手です。 与田さんがカギと見るのはレギュラーシーズンより1番バッターの役割が広がる点です。 (与田剛さん) 「DH制の試合になると、三浦監督が下位打線でどういう選手を使っていくか。下位から1番につながっていくというそういう部分では、決める能力も高くつなぎ役もできる選手が梶原選手なんです。なので梶原選手がどういう活躍をするかによってDeNAの得点力が大きく変わると思っています」 与田さんが、もうひとつ注目したのが、DeNAの投手力です。レギュラーシーズンの防御率はリーグ5位と苦しみましたが、クライマックスシリーズは、防御率1点台と大きく調子を上げてきているのです。…

WS第2戦先発の山本由伸「最後、泣かせたい」 異国での苦楽ともにした“バディ”にも誓う好投

WS開幕前日、メディアの取材に対応するドジャース・山本由伸(撮影・杉浦 大介通信員) ドジャース・山本由伸投手(26)が24日(日本時間25日)、ワールドシリーズ開幕前日恒例となったメディア対応を行った。移籍初年度で臨む、世界最高峰の舞台。決戦に臨む意気込みを語った。 【写真あり】ヌートバーとのゴルフラウンドで豪快なスイングを披露する山本由伸  すでに26日(同27日)の第2戦先発が決定。対戦相手のヤンキースについて問われた右腕は「素晴らしい選手が並んでいますし、素晴らしいチームですし、とにかく全力を尽くしたいと思います」と言葉に力を込めた。  メジャー挑戦1年目。たくさんの人に支えられてここまで来た。「こっちに来ると、日本の時でいう外国人選手、凄くその選手たちの気持ちがよく分かった。チームメートが凄い、声をかけてくれて、外食に誘ってくれたり、そういうのが凄い助かりましたし、チームメートの力を感じました」と笑顔で振り返った。  中でも一番、時間と苦楽をともにしたのが園田芳大(よしひろ)通訳だ。「お互いこっちに来て、ルーキーと言いますか、園田さんは特に違う業界から入って来たので、苦労とかたくさんあったと思いますけど、そういった姿をあまり見せることなく、特に僕には見せなかった」と振り返る。  恩に報いる一つの方法が結果だ。「そういう姿を見ていたので、園田さんにとっては凄い1年になったと言いますか、ワールドシリーズまで来て」としたうえで「最後、泣かせたい」と言い切ると、報道陣からは爆笑が沸き起こった。  WSでの日本投手の先発は07年レッドソックスの松坂、17年ドジャースのダルビッシュ(現パドレス)に続き3人目の快挙。「すごく貴重な経験というか、素晴らしい舞台で野球ができるのはうれしく思いますし、2月のキャンプから、みんなでここを目指してやって来たので、このメンバーで野球できるのがすごくうれしい」と目を輝かせた。  これまで両軍はメジャー最多の11度も対戦し、ヤ軍が8度制覇。前回81年はド軍が制した。ド軍は世界一に輝いた20年以来4年ぶりで、ヤ軍は松井秀喜が日本選手初のMVPに輝いて頂点に立った09年以来15年ぶりのWSとなる。

大谷翔平語録2024~「40ー40」編~

史上最高額の大型契約でドジャースへ移籍した大谷翔平選手。その一挙手一投足からは目が離せませんよね。昨シーズン、多くの方々にご覧いただいた「大谷語録」を、今シーズンも公開していきます。できるだけ多くの大谷選手の言葉を拾い集めていきます。その言葉の数々から、大谷選手の思い、そしてドジャース1年目のシーズンをひもといていきます。(※すべて現地時間。最新の情報が上に来ます)   8/23 サヨナラ満塁ホームランで40-40達成 「トップクラスの思い出にもちろんなりましたし。もっともっとこれから勝って、その記録を塗り替えられるように頑張りたい」 ホームラン39本、盗塁39個で迎えたこの日の試合、まずは盗塁を決めて「40」に。そして同点の9回、ツーアウト満塁からセンターへのサヨナラ満塁ホームランで「40-40」を決めた。 大谷選手は、グラウンドでの中継インタビューを終えた後、びしょぬれのユニフォームのままクラブハウス前で報道陣の取材に応じた。 ーー 以下、一問一答です  ーー <アメリカメディア> Q.おめでとうございます。クラブハウス内でのチームメートのリアクションは? A.みんなお祝いしてくれて、はい。お風呂(試合後のシャワー)から上がってきて、そのままみんなお祝いしてくれました。   Q.あの場面はホームランを打とうとしていたのか? A.いや、もう本当に1本。ヒットでいいので、まあフォアボールでもいいですし、そういう気持ちで行きました。   Q.ボールがフェンスを越えた瞬間の気持ちは? A.ちょっと最初わからなかったので。(外野手が)触っているかフェンスに当たっているかちょっとわからなかったので、審判が(手を)上げてくれてわかりました。   Q.40-40の記録を意識していたのか? A.まあ何本ぐらいかなっていうのはもちろん知ってましたけど、さっきも言ったんですけどまあそれが目的にならないように。しっかりと勝つための手段として、盗塁もそうですし、やりたいなと思っているので。盗塁に関してはやっぱり失敗しないことをまず第一に考えながらやりたいなと思ってます。   Q.今シーズンいい走塁が出来るようになった要因は。 A.まあドジャースに来てからいろいろな人と話して、積極的に次(の塁)をまず狙っていく姿勢を作りたいなと思ってましたし、しっかりと自分の足を生かしていく方法をいろいろと探しながらコーチの人たちと話して。まあコミュニケーションをとるっていうのがいちばんなのかと思います。   Q.50-50に向けての意識はあるか? A.そうですね、まあもちろんその数が増えるっていうことは、勝つ確率が高くなってくるということなので。ここからもっともっと大事な試合が多いですし、自分の数字が上がっていくと同時にチームが勝てるように頑張りたいなと思っています。   Q.9回ウラのあの状況でホームランを打ったらと思ったりしていたのか?…