首位打者が意地の猛打 DeNAのオースティン、痛みもなんの―プロ野球・日本シリーズ

セ・リーグ首位打者の意地を見せた。DeNAのオースティンが先制ソロを含む3安打2打点の猛打で快勝に導き、対戦成績を2勝2敗の五分に。決着を本拠地横浜スタジアムが舞台の第6戦以降に持ち込み、「ファンが熱いエネルギーをくれる。彼らの前でまたプレーできるのが本当に楽しみ」と白い歯を見せた。 <プロ野球日本シリーズ2024>関連ニュース 二回に中前打。四回の第2打席で石川の146キロを捉えた打球は右翼席に飛び込んだ。「常に強い打球を打つことを心掛けている。追い込まれていたので、芯に当てるイメージを強く持っていた」。七回の好機では5点目をもたらす左前打で駄目を押した。 来日後は度重なる故障に泣いたが、5年目にして初の規定打席に乗せ、打率3割1分6厘で首位打者に輝いた。クライマックスシリーズでも、力強い打棒で打線を引っ張った。 しかし、日本シリーズ第1戦で左足甲に自打球を当て、第2戦を欠場した。「自分以上に日本シリーズの舞台に立ちたいと思っている人はいない。できることを全てやって(出場を)目指したい」。痛みを押し、第3戦に4番指名打者で出場。一回の左翼線への当たりで、顔をしかめながらも二塁を陥れた。全力プレーで魅せる主砲が、チームを奮い立たせている。

【高校野球】富士高野球部が近隣の小学生19人を招いて野球体験会

富士高野球部は30日、同校で近隣の小学生19人を招いて、野球体験会を行った。ドジャース大谷翔平投手(30)のメジャー史上初の「50―50」達成記念にちなみ、児童らは50分間にわたり打ち続けた。  ワールドシリーズ(WS)第4戦(日本時間30日)で大谷は1安打で本塁打はなかったが、ちびっ子が代わって快音を連発した。富士川一小に通う落合笑琉くん(3年)は「いっぱい打ててうれしかった」と満足げ。WSなど家で自主的に録画するほどの大谷ファン。「パワーがすごい。いずれああなりたい」と目を輝かせた。  同校は地域の野球振興に力を入れており、児童が気兼ねなく、打撃を行える場所を提供することを目的に開催。初心者には丁寧に指導を行った。萩谷煌翔主将は「みんなが楽しそうにやってくれていた」と部員たちのリフレッシュにもなったと話した。

プロ野球の未来のために日本シリーズの価値を大切にしてほしい…上原浩治が考えるメジャーとの共存

(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)  メジャーリーグのワールドシリーズが例年になく、大きな注目を集めている。ドジャースの大谷翔平選手、山本由伸投手が活躍し、対戦相手もイチローさんや松井秀喜さん、黒田博樹さん、田中将大投手(現楽天)らが在籍していたこともあって日本でも馴染みのあるヤンキースということもあるだろう。  ワールドシリーズが「世界最高峰」の戦いをうたう一方で、日本にも国内王者を決める日本シリーズがある。今年は日程が重なっているが、時差の関係で、日本時間の朝帯にワールドシリーズ、夜帯に日本シリーズと時間帯は分かれた。夜帯にもダイジェスト版を放送するため、日本シリーズと視聴者が分散してしまうことは残念だ。  ワールドシリーズが生中継される日本の午前中は、会社勤めの人たちが、見ることができないのは理解できる。だからこそ、ダイジェスト版はニーズもあるだろう。一方で、視聴率の高い時間帯とはいえ、ナイター開催の日本シリーズと重なってしまうのは、どうなのか。  私はメジャーに移籍したとき、自分の結果はほとんど日本で放送されなくてもやむを得ないと思っていた。アメリカではメジャーリーグ、日本には日本のプロ野球が存在していて、それぞれにファンがついている。日本球界から移籍をした以上、自分の活躍はアメリカで評価されるものだと覚悟をしていた。もちろん、日本時代から応援してくれている人には、自分の結果も知ってもらいたい。そこで、メディアを通さなくてもつながることができるブログを通じて、登板した試合では自らの投球内容を詳細に振り返ることにした。  現在は、大谷選手の活躍もあって、メジャーへの注目度はかつてないほどの高まりを見せている。メジャーの雰囲気、メジャーの野球を、大谷選手らの存在を通じて、日本の子どもたちも目にすることができるようになった。これは、とても良いことだろう。一方で、日本の野球が盛り上がらないと、国内でのプロ野球ビジネスは衰退してしまう。  将来のメジャーリーガーもほとんどは日本のプロ野球から巣立っているのだから、土台となる日本球界の存在は不可欠だ。だからこそ、日本シリーズの価値は、日本の野球ファンの中で大切に共有してほしいと思ってしまう。報道では、ソフトバンクの小久保裕紀監督が「ワールドシリーズとかぶるので注目度も分散されがち。日本の代表として恥ずかしくないようなプレーをベイスターズの皆さんとともに築き上げて、日本国民が喜ぶようなシリーズにしたいと思います」と話していたという。  メジャーの試合も多くの人の目に触れることは賛成で、ダイジェスト版の放送が悪いとは思っていない。ただ、放送時間帯が日本シリーズとかぶることなく、日本シリーズの中継の前後にずらすなどすることで、野球ファンがより野球に接する機会が増えたのではないだろうかと思うのだが、皆さんはどう考えるだろう。  また、ワールドシリーズと日本シリーズが同時開催となっている中で、セ・リーグにおける指名打者(DH)の是非があまり報じられないのは不思議だ。  今季の大谷選手の素晴らしい成績は、DHという制度をナ・リーグも導入したからこそ、成し得た大記録だった。守備機会がないDHに関しては、メジャーでもこれまでMVPを獲得した選手がいなかったが、今季の大谷選手の成績はMVPも間違いないだろう。  まさに、DHの存在、DHの価値が証明されたシーズンともいえる。試合日程が重なったワールドシリーズ、日本シリーズの中でセ・リーグのホームゲームだけ、投手が打席に立つ状況から、DHの可否について議論がもっと活発化すればいいと思う。野球は本来、9人で行うものだったという伝統を守ることは大切だが、固執することで時流に乗り遅れてはいないだろうか。ワールドシリーズと日本シリーズの同時開催で、DHに関する違和感が浮き彫りになった年とも言えまいか。皆さんはセ・リーグのDH、どう思いますか。