DeNA 牧秀悟 勝ち切る覚悟でCS突破へ ~CSのキーマン~

プロ野球のクライマックスシリーズが今月12日から始まります。 セ・リーグのファーストステージは2位の阪神と3位のDeNAの対戦で、4年ぶりのリーグ優勝を果たした巨人への挑戦権をかけて戦います。 担当記者がクライマックスシリーズで鍵を握るとみている注目選手を紹介するシリーズが「CSのキーマン」です。 セ・リーグ3位から勝ち上がりを狙うDeNAでカギを握るのは今シーズンからキャプテンを務める牧秀悟選手。チームをまとめる立場の責任と正面から向き合い、ことばでもプレーでもチームを引っ張りました。 好成績も悔しさ感じた1年 牧選手は今シーズン、主軸としてリーグ3位の打率2割9分4厘、ホームラン23本をマーク。好成績を残しましたがキャプテンとしての重圧と戦ってきたこの1年に満足はしていません。レギュラーシーズンを振り返るその口調には悔しさがにじみ出ていました。 (牧秀悟選手) 「何をすればいいのかわからない状況で、いい思いよりも大変な思いの方が多かった。優勝を逃してしまったし、成績は残したが前半戦で貢献できず1年間通して活躍できなかったので悔しいシーズンだった」 「状態が悪い時が多かった」と5月は月間打率が1割7分と春先に不振に陥りました。チームも波に乗れず夏場には9連敗を喫して上位争いから脱落しかけました。 チームを1つに勝ち切る覚悟を キャプテンとして何とかしないといけない。 負け越し「2」の4位に沈んでいた8月27日。牧選手は試合前に三浦大輔監督たち首脳陣にもみずから声をかけ、選手を集めてミーティングを開きました。全員の視線が集まる中、みずから考えたスローガン、そして自分の思いを伝えました。 「シーズン残り1か月のテーマを『勝ち切る覚悟』にしました。ただ1勝すればいいやとか勝ち越せばいいや、この考えだと絶対に優勝ができないと思いますし、ここでもう1つ全員がギアを上げて選手だけでなく監督、コーチ、スタッフ、裏方のみんなが本当に同じ方向を向いてきょうの試合から戦っていきましょう」 『勝ち切る覚悟』。そのことばに込めた思いとは。 (牧秀悟選手) 「自分が入団してから優勝できていませんでしたし、いつも大事な場面、大事なところで負けることが多かった。1つの試合にかける思い。1つの試合を勝って次の試合を、というところを意識した」 牧選手が入団してからチームの成績は6位、2位、3位。 持ち味の強力打線がつながると手がつけられなくなる反面、1点を争う僅差の試合だと競り負けるといった展開が多々ありました。勝負どころで勝ち切れない状況に悔しさを感じていた牧選手。自分にもチームにも勝利を貪欲に目指す強い気持ちが必要だと考えました。 ベンチの背もたれや球場の電光掲示板、それに応援グッズなど至る所にスローガンが掲示されるようになりました。ミーティングの翌日に勝利投手となった東克樹投手が「全員で戦うことを再認識した中で勢いをもらって勝ち切れた」と話せば、三浦監督も「みんなも同じ気持ちで戦っている」と話し、その思いはチームにも浸透していきました。 (写真)9月3日の広島戦でホームランを打った牧選手を三浦監督が迎える ミーティングをきっかけにチームも奮起し、その日から5連勝。終盤まで上位争いを繰り広げ、大混戦の中3位に滑り込みました。 固まった打撃フォーム 待ち方が改善 「結果で示したい」と牧選手も勝負どころの9月には月間打率3割8分2厘、ホームラン5本と大活躍。ことばだけでなくバットでもチームをけん引しました。 終盤に入って状態が上向いた要因はボールの待ち方にありました。 これまで不調だった時は右足に重心を乗せてボールを待つとき、上半身が前後にぶれてしまって打ち損じが増えていたといいます。 フォームがしっくりこないもどかしさを解消しようと試合前の打撃練習では右足の股関節に体重を乗せることを意識してティーバッティングを行うなど試行錯誤を続けました。…

ド軍フリーマン、実はろっ骨も折れていた「お父さん、僕は絶対にやめない」右足首捻挫も抱え…WSでMVP

ワールドシリーズ(WS)5試合で打率3割4本塁打12打点と文句なしの大活躍でMVPに輝いたドジャースのフレディ・フリーマン内野手(35)がろっ骨も骨折していたことが31日(日本時間1日)米スポーツ専門局「ESPN」電子版の報道で明らかになった。 【写真あり】ベッツ夫人が公開 真美子さん&フリーマン夫人とMVPトリオ夫人ショット!ジャケットに「OHTANI」  フリーマンは9月26日パドレス戦の走塁で右足首を捻挫。一時はプレーオフの出場自体が危ぶまれていた。  ところが、ケガは足首だけではなかった。「ESPN」のジェフ・パッサン記者が投稿した「WS王者!ドジャースはいかにしてその強さを証明したか」と題された記事によると、10月3日(同4日)の練習中にろっ骨にも痛みを感じていたという。翌4日(同5日)、スイング中に悲劇は起きた。「フリーマンは体に電気ショックのような衝撃を感じて地面に崩れ落ちた」とし「自力で立ち上がることもできず、X線室に運ばれた」という。  結果は「第6ろっ骨のろく軟骨の骨折」。「通常数か月間、離脱せざるを得ない」ほど重症だった。10歳で母親を亡くしてから、男手一つでフリーマンを育て上げた父のフレッドさんはこの状況に「フレディ、こんなことを続ける価値はない。君が野球を愛しているのは知っている。私も野球が大好きだ。でも、君が今経験していることに見合うものではない」と心配し、休むように説得。ところがフリーマンは「お父さん、僕は絶対にやめない」と力強く語ったという。  そして25日(同26日)のワールドシリーズ(WS)第1戦ではWS史上初の逆転サヨナラ満塁弾。試合後、スタンド最前列で見守っていた父の元に駆け寄りネット越しに喜びを分かち合った。パッサン記者は「彼の決意と粘り強さがドジャースを勝利に導いた」と力を込めた。

首位打者が意地の猛打 DeNAのオースティン、痛みもなんの―プロ野球・日本シリーズ

セ・リーグ首位打者の意地を見せた。DeNAのオースティンが先制ソロを含む3安打2打点の猛打で快勝に導き、対戦成績を2勝2敗の五分に。決着を本拠地横浜スタジアムが舞台の第6戦以降に持ち込み、「ファンが熱いエネルギーをくれる。彼らの前でまたプレーできるのが本当に楽しみ」と白い歯を見せた。 <プロ野球日本シリーズ2024>関連ニュース 二回に中前打。四回の第2打席で石川の146キロを捉えた打球は右翼席に飛び込んだ。「常に強い打球を打つことを心掛けている。追い込まれていたので、芯に当てるイメージを強く持っていた」。七回の好機では5点目をもたらす左前打で駄目を押した。 来日後は度重なる故障に泣いたが、5年目にして初の規定打席に乗せ、打率3割1分6厘で首位打者に輝いた。クライマックスシリーズでも、力強い打棒で打線を引っ張った。 しかし、日本シリーズ第1戦で左足甲に自打球を当て、第2戦を欠場した。「自分以上に日本シリーズの舞台に立ちたいと思っている人はいない。できることを全てやって(出場を)目指したい」。痛みを押し、第3戦に4番指名打者で出場。一回の左翼線への当たりで、顔をしかめながらも二塁を陥れた。全力プレーで魅せる主砲が、チームを奮い立たせている。