日本の人気飲料「ポカリスエット」が、北米市場で急成長を遂げていることが明らかになった。大塚製薬が2025年3月に米国のコストコで販売を開始したところ、瞬く間にその効果が話題となり、特に体調不良や二日酔いの改善に寄与する「命の恩人」として称賛されている。コロナ禍を経て、健康意識が高まる中、ポカリスエットは北米のスポーツドリンク市場においても注目を集めている。
ポカリスエットは、1973年に日本で誕生し、汗によって失われる水分とミネラルを迅速に補給する飲料として知られている。その開発の背景には、当時の技術部長がメキシコ出張中に体調を崩し、現地での治療を受けた際にインスピレーションを得たというエピソードがある。以来、国内外で多くの支持を受けて成長を続けてきた。
最近のデータによると、北米のスポーツドリンク市場は今後も年3%の安定成長が見込まれており、ポカリスエットの進出はその流れに乗ったものと考えられる。特に、健康意識の向上、異常気象による水分補給の重要性の認知、日常的な水分補給の必要性が、ポカリスエットの需要を後押ししている。
大塚製薬は、コストコ限定で南カリフォルニアやハワイなど、アジア系人口が多く健康志向の高い地域に絞ったテストマーケティングを実施しており、SNSでの拡散効果も狙っている。ポカリスエットの名称が「汗」を含むことに対する懸念もあるが、ブランド認知を優先し、あえて変更しない方針を貫いている。
海外の反応も多様で、「ポカリスエットは最高の二日酔い対策だ」との声や、「名前は美味しそうに聞こえないが、その効果は絶大だ」といった意見が寄せられている。特に、アメリカ市場では、甘さ控えめで飲みやすいという特性が評価されている。
今後の展開としては、他のホールセールチェーンへの拡大や、低カロリー版、フレーバー展開など多様なニーズに応じた商品ラインナップの充実が期待されている。
ポカリスエットが北米市場でどれほど浸透するか、その行方には注目が集まっている。日本の飲料が再び世界で愛される姿は、多くの人々にとって嬉しいニュースであり、今後の動向が待たれる。