第1回【「千葉真一」が肺がんで逝った「元妻・野際陽子」を語り尽くす 「俺は嵌められたの。からめ捕られちゃったの」】を読む 【写真】主演映画のオリジナル・フィルムに「黒革の手帳」…千葉さんの遺品を見る 2017年6月13日に野際陽子さん(享年81)が死去してから、早くも8年の歳月が流れた。NHKのアナウンサーから俳優に転身し、1972年に千葉真一さん(2021年8月19日死去、享年82)との婚約を発表。結婚生活は1994年に終わりを迎えたが、千葉さんは後に「週刊新潮」のロングインタビューで「憎んで別れたワケじゃない」と断言していた。 野際さんの訃報を受けたこのインタビューで、千葉さんは思いの丈を語り尽くした。第2回では、野際さんの手を握りながら臨んだ離婚会見や、「陽子は俺と結婚していない方が良かったんだ」と思った瞬間、それでも「幸せだった」と語る心境などを明かしている。 (全2回の第2回:「週刊新潮」2017年6月29日号「俺をからめ捕った肉食系『野際陽子』」を再編集しました) ***
陽子は楽しい酒だった
それに酒豪でね。芸能界で「酒の横綱」と言われていた。俺の3〜4倍は呑んでいたよ。ワインが好きで軽く一本は空けていたな。一度、同じペースで呑んだら、ベロベロになって帰りのタクシーでやばいことになった。 「あなたはお酒弱いんだから考えて呑まなくちゃダメよ」と窘(たしな)められたけど、朦朧とする中、「じゃあお前は考えてるのか!」と突っ込んだよ。ある時、「何でそんなに強いんだ?」と聞いたら、「私、胃下垂だから酔いが回らないの」。 それを理由に呑みまくっていた。でも、酔いつぶれたりは一切しない。取り乱すこともなかった。陽子は楽しい酒だったよ。 俺、トイレで本を読む癖があるのよ。陽子が帰ってきて、俺の姿が見えないと、「あなた!」「あなた!」と言いながら、部屋中探し回るんだよね。ようやくトイレとわかって、コンコン、「いるの?」とノックしてくる。「そうだよ!」と怒ると、「何だクソか」。結局、あの人にかかると、全部笑いになっちゃうんだよな。