精神科医の和田秀樹さんが2025年6月7日に公式YouTubeチャンネルを更新し、3日に肺炎のため89歳で死去した巨人軍終身名誉監督の長嶋茂雄さんをいっせいに賛美する風潮に異論を唱えた。 【動画】和田秀樹さんの長嶋茂雄さんに対する「褒めすぎ」論をみる ■「長嶋という人が個人的に好きではない」 「【長嶋茂雄さん】みんな褒めすぎじゃない?」と題した動画で和田さんは「日本人の特性として、どんな人でも死んだ途端にめちゃくちゃ褒めるということがあるので」とし、「それを置いておいても長嶋さんのすごさみたいなことがめちゃくちゃ語られているわけですよね」と切り出した。続けて、自身が広島カープファンだと前置きし「長嶋という人があんまり個人的には好きではありません。(現役時代の)活躍度合いから言っても、王(貞治)と比べると大分落ちるし、それ以上に監督になってからがひどいですよね」と批評した。 和田さんは、川上哲治監督率いるV9時代の巨人が生え抜きの選手を重用した「純血主義」だった一方、長嶋監督時代の巨人が他チームの主力選手を積極的に引き抜いていたとし、「よそのチームを弱くして、自分たちのチームを強くするというのの走り」と断罪。「ところがそんなことをすると金のあるチームばかりが勝つようになるし、仲間を裏切ることになるので、『巨人に引き抜かれるぐらいだったらメジャーに行こう』という流れを作った人が長嶋だと思いますよ」と持論を展開し、結果として、日本のプロ野球は大スター不在でメジャーの二軍のようになってしまったと嘆いた。 「ということで長嶋という人の発想が、とても日本のプロ野球をつまらなくしたし、特に広島カープみたいな貧乏球団にとってみたらとてもひどいことをされてきた、元凶を作った」と説き、「長嶋だけの問題じゃなくて、長嶋と渡辺恒雄オーナーのセットで『あの選手欲しいね』と言ってどんどん引き抜いていったことで、おそらくカープファンでない人もみんな怒り狂ってるという所はあると思うんですよね」と主張した。