俳優の宮川一朗太(59)が13日放送のテレビ朝日系「徹子の部屋」(月~金曜・午後1時)に出演し、離婚した妻を自宅で看取っていたことを明かした。 司会の黒柳徹子に「私生活では波瀾万丈な人生を送ってらっしゃって。まず30代で離婚なさって、男手一つで娘2人を育てた」と紹介されると、「ちょうど娘が中学生くらいの時に離婚したものですから。彼女たちが高校生、大学生ぐらいの間は私が1人で育てていました」と回顧。黒柳に「子育ては大変でした?」と聞かれると「こんなに大変なことを世の中の主婦の皆さんはなさっているのかと身をもって思い知らされました」とポツリ。 「ただ、周りに(離婚を)言ってなかったものですから、娘が20歳になるまでは公表しないでくれと(妻と)約束していたものですから。誰にも言えないということは誰にも手伝っていただけなかったので、1人でこんな(両手いっぱいの)買い物をして荷物を持ってスーパーから帰りますと近所の方が『うわあ、優しい旦那さんですね』って言われて。『頑張ってます』って感じで」とシングルファーザーとしての日々を振り返った。 次女が結婚して2年前の夏には初孫が誕生。「おじいちゃん」になったことを明かすと「今、1歳半でかわいくて…」と笑顔を見せた。 元妻について「いろいろありまして、お別れすることになったんですけど、その後、彼女、元嫁さんは南の方に移住して暮らしていたんですけど、7、8年前にガンを患いまして。いったん手術をして摘出をしたんですが、その2年後くらいに転移が見つかりまして。その時はステージ4の診断をされて」と話すと「住んでる方の近くの病院では治療が難しいので東京に転院しましょうってことで。闘病を頑張っていたんですけど、かなり末期になりまして。私も何回かお見舞いに行かせていただきました。そうしたら『病院は嫌だ』『病院は嫌だ』というのを何回も聞いて。長い時間を移動する体力はもうないので南の方に戻ることはできないですと。極力、病院から離れていない場所でお願いしますとなると、ウチしかなかった」と在宅医療に踏み切ったことを明かした。 「ただ、私も逡巡(しゅんじゅん)がありまして。別れた元嫁を迎え入れるというのはどうなんだろう?って。長女が『私がお世話するから、パパは時々、面倒見てくれればいいから』って。それならいいかってことで迎え入れることになりました」と明かすと「長女が簡易ベッドですとか酸素吸入器とか、長期のリースを全部やってくれまして。彼女がいよいよやってきました。ヘルパーさんも手伝ってくれてベッドに寝かせて。元嫁との不思議な生活がしばらく始まるのかなと思っておったんですが、その翌日に旅立ちました」と静かに続けた。 「最期は僕と長女で看取るということになりました。長女は非常に気丈に…。大変、パニックだったと思うんですけどね。下の娘は残念ながら駆けつけてる途中で間に合わなかったんですが。(元妻は)多分『病院は嫌だ』って言っていて、ベッドから見るウチの景色がきっと『病院じゃない』と思ったんじゃないでしょうか。そこでホッとしたのかな?ってことを話したんですけど…」と宮川。 「最後の方は耳が聞こえなくなったりしていたそうなんですけど、筆談ですとか、お見舞いの時は会話をしていました。最後の方、僕が『帰るね』って言っても意識が混濁していて、来たことも分からなかったかなって娘とも話していたんですが、旅立たれた後に娘が遺品の整理をしていたんです。彼女の携帯を見ることができたら、僕へ『お見舞いに来てくれてありがとう』って書いたLINEが残ってたんです。送信しないまま残ってた。だから、ああ、分かってたんだなって、僕が来たことを。『ありがとう』って。そこはこみ上げてくるものがありました」と話した。 「ただ、本当にいろいろあって。出会って結婚して、お別れして。でも、2人の娘と会わせてくれたのは間違いなく彼女ですから。今は感謝しかありません」と、しみじみ話していた。