井上尚弥選手がアメリカ・ラスベガスのTモバイルアリーナで行われたWBA世界スーパーバンタム級タイトルマッチにおいて、挑戦者ラモン・カルデナス選手に勝利し、防衛に成功しました。試合は激しい展開を見せ、特に第2ラウンドでは井上選手がカルデナス選手の左フックでダウンを奪われるという波乱がありました。この珍しい場面に対し、元WBC世界フェザー級王者のスティーブン・フルトン選手は「ダウン後のストップが早すぎた」と批判の声を上げています。
試合は5月4日(日本時間5月5日)に行われ、井上選手はスーパーバンタム級を統一した王者としての地位を確立しています。カルデナス選手はWBA1位の挑戦者であり、IBF8位やWBO10位などの称号を持つことからも、その実力は高く評価されています。試合の開始前から両者への期待は高まり、特に井上選手の試合前のカステラを食べるシーンは、海外ファンの間で大きな話題となりました。
試合が進む中、井上選手はダウンを喫した後も冷静さを保ち、徐々にペースを上げていきました。そして、7ラウンドには見事な連打でダウンを奪い返し、8ラウンドに入ると、試合を優位に進め、レフェリーによって試合はストップ。結果はTKO勝ちとなりました。
試合後、カルデナス選手は「結果はどうあれ、ここにいられることが幸せだ」と語り、井上選手の実力を称賛しました。彼はダウンを奪ったこともあり、自身のボクサーとしての成長を実感したと述べています。一方で、フルトン選手はSNSで「レフェリーのストップは少し早すぎた」との意見を述べ、試合の進行について疑問を投げかけました。
ボクシングにおけるレフェリーストップは選手の安全を第一に考える必要があり、選手たちの意見も多様です。カルデナス選手は、レフェリーの判断を理解しつつも、もう少し戦えるチャンスがあったのではないかとの思いを抱いているようです。
この試合を通じて、井上選手の強さが再確認される一方で、カルデナス選手の実力も広く認知されました。また、フルトン選手のコメントは、今後の試合における審判の判断についての議論を呼ぶことが予想されます。ボクシングの世界では、選手たちの挑戦と成長が続く中、井上選手がさらなる進化を遂げる姿が期待されています。今後、彼が次にどのような対戦相手と戦うのか、多くのファンが注目しています。