米価が高騰する中、宮城県大崎市では田植えが本格化しています。専門家の予測によれば、米の品薄感と価格の高止まりは7月いっぱい続く見込みです。
大崎市古川の農家、佐々木高幸さんは、今年は「人目惚れ」や「笹式」などの品種を栽培するため、18ヘクタールの田んぼで作業を行っています。彼は、親子三代で苗を植える姿を見せました。宮城県内では、JAや県が協力して、今年の主食用の米の栽培面積を前年より3200ヘクタール増加する計画を立てています。これは全国的な米不足を受けた国の生産量増加方針に対応したものです。
しかし、米の価格は依然として高騰しており、JAなどによる米の買い取り価格も上昇しています。佐々木さんは、労働費や物流費、保管時の電気代などのコストが影響しており、今後も高値で推移する可能性があると話しています。
米の価格動向について、宮城県内のスーパーを取材したところ、宮城の店舗では「人目惚れ」の価格が5キロ386円と、一時期よりは下がったものの、前年同時期と比べると高止まりしている状況です。政府は米不足による価格高騰を抑えるため、これまでに3回の放出を行い、合わせて31万トンを市場に供給しています。先月からは備蓄米の入荷も始まり、一定の数量を確保できる見通しも立っていますが、値下げが実現するかは不透明です。
農林水産省が発表したデータによると、先月27日までの米の平均価格は5キロあたり423円で、前週から12円値上がりしました。これは昨年の同時期と比べるとほぼ倍増しており、17週連続で上昇しています。
宮城大学の大泉和名誉教授は、米の価格高騰の要因について2つの可能性を指摘しています。まず、昨年の米が不足していたこと、次に、備蓄米の流通が遅れていることです。政府の説明とは裏腹に、約40万トンの米が不足していると指摘されており、2回の備蓄放出でもその不足を解消できていません。
このような状況を受けて、岸田総理は党内で対策をまとめるよう指示しました。大泉教授は、米の価格を下げるには大量の米を一気に流通させる必要があると述べており、品薄感と価格の高止まりは7月いっぱい続くと予想しています。今後の政府の対応に注目が集まります。