ドジャース・大谷が20日(日本時間21日)のレンジャーズ戦で、父となって戦列復帰した。試合前のクラブハウスではチームメートからのお祝いラッシュ。新たに見せた一面を現地の中村晃大記者が「見た」。
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空気が一変した。現地時間の午前10時58分。大谷が朗希らとクラブハウスに到着。ロッカーに荷物を置くなり、隣の由伸と談笑を開始。すると、ここからパパになりたての“大谷詣で”が幕を開けた。
最初に声をかけに行ったのは19年にエンゼルスでも同僚だった38歳のガルシアだ。目を合わせ、がっちり握手。「コングラッツ! ショウ」と歩み寄った救援右腕・フィリップスはハグを交わした。シャワーを浴びていた捕手のバーンズは大谷の姿を見つけるなり、「パパショウヘイ!」と大声で叫ぶ。大谷は照れくさそうに「シーッ」と右手人さし指を口元に当てた。
今年1月には先輩パパとして「今のうちにたくさん寝ておけよ」と大谷に助言していたベッツは「コングラッチュレーション」と抑えたトーンでひと言。グータッチがクールだった。通訳を務めるアイアトン氏は日本語で「おめでとうございます」とお辞儀して和風のお祝い。報道陣がクラブハウス内を目視できた10分間だけで大谷の元を訪れた同僚、コーチ、関係者は14人。仲間も父親リスト入りしていた大谷を気にかけていた証しだろう。
普段、試合前の大谷は投手のリハビリを含めた二刀流調整で大忙し。たまにクラブハウスで見かける時はタブレット端末で敵軍投手の映像などを確認していることが大半だ。しかし、この日は自分のイスに深く腰かけ、リラックス。スマホの画面をのぞきながら、ニヤニヤが止まらず、あまり見たことのない表情だった。もしかすると、真美子夫人からまな娘の動画が送られてきたのかもしれない。だとしたら、愛犬・デコピンも嫉妬してしまうほどの溺愛ぶりが早くも垣間見えたことになる。(中村 晃大)