2025年に開催される大阪関西万博に対する地元大阪府民の反応が冷え込んでいる。かつての万博が持っていた期待感や誇りは薄れ、現代の市民からは「行く理由が見当たらない」との声が多く聞かれる。特に注目されるのは、チケット価格や展示内容に対する市民の不満である。入場料が7500円に設定されていることに加え、家族で訪れれば交通費や飲食代を含めて大きな出費となることが問題視されている。
多くの市民は、同じ金額を支払うのであれば近隣のユニバーサルスタジオジャパンに行く方がはるかに満足度が高いと感じている。特に子育て世代からは、万博に対する期待感が乏しく、過去の万博と比較しても魅力が欠けているとの意見が多い。1970年の万博では、未来技術や人類の進歩を体感できる夢の空間として熱狂を生んだが、今回の万博にはそのような未来像が見えず、地元の科学館で見られるような展示が多くなることが懸念されている。
また、展示内容に対する期待が薄い一因として、インターネットの普及による情報の取得が容易になったことが挙げられる。現代の市民は、日常生活の中で新しい技術に触れる機会が増えており、わざわざ高額なチケットを購入して展示を見に行く意義を見出せないという声が多い。さらに、万博のテーマや展示内容に対する情報提供が不十分であることも、来場者の減少に繋がっている。
チケット販売に関する手続きも問題視されている。個人情報の登録が求められることから、参加者に対して監視の対象になっているとの疑念を抱かせる結果となっている。特に、顔写真の提出が必要とされるケースもあり、その目的が不明瞭であるため、さらなる不審感を招いている。
大阪万博の運営に対する透明性の欠如も指摘されており、特定の政党との結びつきや利権の分配が噂される中で、イベントの中立性が損なわれているとの懸念が広がっている。運営に関与する団体や個人の顔ぶれに対する透明性の不足が、参加者の信頼を損ねる要因となっている。
現状のままで開催される場合、大阪万博は失敗の象徴として語り継がれる危険性が高い。市民団体の中には、運営に市民の声を反映させる仕組みを求める声も上がっているが、そのような意見が運営側に反映されることは少ない。今後、万博の開催意義を見直し、参加者にとって価値のある体験を提供することが求められている。大阪万博が未来への夢を再び感じさせる場となるためには、根本からの改革が必要である。