実の父親から性的暴行を受けた娘が語る心境 準強姦の罪に問われた男の初公判
富山県黒市で行われた初公判で、実の父親からの性的暴行を受けたとされる被害者の福山さんが、自らの心境を語った。この事件は8年前に遡り、当時高校生だった福山さんは、父親からの虐待を長年抱えてきた。彼女はテレビの画面を静かに見つめながら、「何回傷つければ気が済むんだろう」と語り、父親の行為に対する深い悲しみと怒りを表した。
準強姦の罪に問われているのは、無職の大門工事被告である。検察の主張によると、彼は2016年8月頃、当時高校生だった福山さんに対し、抵抗できない状態であることを知りながら性的暴行を加えたとされている。公判では、大門被告が実の娘との関係を認める一方で、逆らえない状態ではなかったと一部否認した。弁護側は、準強姦の罪には当たらず無罪を主張している。
福山さんは、父親の主張に対して「おかしいなってびっくりします」と述べ、父親が認めたこと自体が彼女にとって衝撃であったと語った。また、「まるで私が望んでいたかのような主張になっている」とし、父親が自身の拒否を無視していることに対する疑問を強く感じていると明かした。
今回の裁判において、福山さんは被害者参加制度を利用し、証人として出廷する予定である。彼女は「どんなことが聞かれるのだろう」と不安を抱えつつも、真実を伝えるためにこの場に立つ決意を固めている。次回の公判は来月23日に予定されており、福山さんはその場で自身の経験を語ることになる。
福山さんは、父親の考えについて「なぜ私が拒否したにも関わらず、そうではなかったと思ったのか」と疑問を抱えており、真実を明らかにすることに強い意志を持っている。「考えると泣きたくなることもあるが、答えて欲しい」との思いを込め、彼女は裁判に臨む。今回の事件は、家族内での性的暴力という深刻な問題を浮き彫りにしており、福山さんの勇気ある告白が社会に与える影響は計り知れない。