東京オリンピックの陸上男子20キロ競歩で銀メダルを獲得した池田向希選手に対して、世界陸連の監視機関がドーピング違反の疑いで暫定的な資格停止処分を科したことに対し、池田選手は「全く身に覚えがなく、大変困惑している」などとするコメントを出しました。池田選手は処分の取り消しを求める申し立てを行うとしています。
陸上男子20キロ競歩の26歳、池田選手は3年前の東京オリンピックと、おととしの世界選手権でいずれも銀メダルを獲得し、ことしのパリオリンピックでは7位に入りました。池田選手が所属する旭化成によりますと、ことし6月、世界陸連の監視機関『インテグリティー・ユニット』から池田選手に対し、ドーピング違反の疑いがあると通知があったということです。WADA=世界アンチドーピング機構が公表する禁止物質が検出されたわけではなく、去年6月に行われた血液検査でヘモグロビンなどの数値が選手ごとに設定された限度を超えて変化していたもので、池田選手は専門家の見解を踏まえ、当時の練習や生活環境、処方薬の副作用などが原因で、ドーピングによるものではないという弁明書を提出しましたが、今月1日、暫定的な資格停止処分が科されたということです。池田選手は「全く身に覚えのない理由で今後の試合に出場できないかもしれない状況となり、大変困惑している。今後、真実が明らかになり、公正な結論が導かれるよう引き続き努める」などとするコメントを出しました。池田選手は今後、処分の取り消しを求める申し立てを行うということです。