“不倫”の山尾志桜里氏はあっさり切り捨てたが、“反ワクチン”の須藤元気氏はがっちりガード。国民民主党の判断に納得していない国民は多いが、若きエリート高校生も同様のようだ。先週末、医師志望者が通うことで知られる愛知県の“超名門進学校”で開催された玉木雄一郎代表の講演会。「どうして反ワクの須藤氏を公認したんですか」と玉木氏にズバリ直撃する生徒が現れた。 【写真】東大死傷事件を起こした「愛知県の超名門進学校」生徒の卒業文集には「勉強が自分を苦しめた」と書かれていた ***
ぶら下がり取材でごまかした?
「ワクチンが始まってから死者激増」「接種が継続されている現状には疑問を感じざるを得ません」――。こうした非科学的な“反ワクチン発言”をSNSで発信してきた須藤氏。同氏を公認した国民民主党に対する批判は、今なお根強い。 玉木氏は批判を受け、「須藤氏には自分も同席して記者会見を開かせる」と明言していたが、6月30日に東京・新宿で行われた“記者会見”はあまりにお粗末な内容だった。 「そもそも街頭演説のついでに行われた“ぶら下がり取材”にすぎません。ちゃんと告知もされておらず、参加したのは厳しく追及しなさそうな記者クラブメディアばかり。数問の質問に答えてお開きになりました」(大手紙記者) 須藤氏はそこで「本当に深く反省しております。私の発言、発信により、当時一生懸命働いていた医療従事者の方々に、心身ともに大きなご負担をおかけしたことを心からおわび申し上げます」と陳謝。比較されたのは山尾氏との「扱いの差」だ。 「山尾さんは一人で2時間半も記者会見をさせて、しかもその会見自体を公認取り消しの理由にしたわけです。扱いに雲泥の差がある」(同)
「中高生は本質的な質問をするから怖い」と語った後で…
不倫と反ワク。どちらが罪深いと考えるかは人それぞれだが、これから紹介する高校の生徒は後者だったようだ。愛知県で超難関の進学校として知られる「東海高校」である。 2025年度卒業生の東京大学合格者数は28名、京都大学は31名。とりわけ医者を志す高校生が集う高校として知られ、25年度の医学部合格者数は204名と開成高校を抑えて全国1位の実績を誇る。 「やはり医者の卵からすれば、須藤さんの非科学的な発信は納得できなかったのでしょう」 こう語るのは、6月28日、同校で開催された玉木氏の講演会に参加した地元民だ。父母や近隣住民も自由に参加できる講演会で、当日は一目玉木氏を見ようと約700人の聴衆が集まったという。 玉木氏が約1時間講演した後、質疑タイムという構成だったが、冒頭、玉木氏は「緊張してきた」と話していたという。 「『政治家として喋るのを仕事としてやっていますが、一番苦手なのは中高生。なぜかというと、みんな本質的な質問をするからです』と言っていましたね。講演では、『皆さんはこれから世の中のリーダーとして役割を果たしていく人材だ』『恵まれているのだから与えられたチャンスを活かして欲しい。夢を持ちたくても持てない同世代の子たちが各地にいることを知ってほしい』などと呼びかけていました」(参加者)
怒気をはらんだ口調で直撃
そして始まった質疑タイム。玉木氏が恐れていた“本質的な質問”がいの一番で飛び込んできたのだった。 「最初にマイクを握った生徒が『なぜ須藤元気を公認したのですか。反ワクチンを唱えている人をなぜですか』と切り込んだのです。決してウケを狙っているような様子はなく怒気を孕んだ真面目な口調だったので、会場はどよめきました」(同) 玉木氏はたじたじになっていたという。 「『本人は過去の過ちで医療関係者にご迷惑をおかけしたと反省しています』と言った後、『もうそういう発信はしないよう確認書は取っている』だの『我が党に所属する医師免許を持っている議員と対談したので、そういった発信をこれからしていきたい』とかゴニョゴニョ言っていました」(同) ちなみに2人目の質問者も名門校の生徒らしい質問をしたとのこと。 「私学無償化になぜもっと反対しないのか、という意見を述べていました。『東海高校に通う生徒は医者の家庭ばかりで恵まれている。もっと公立に通う貧しい子達のためにお金を使うべきだ』と。まっすぐ過ぎる質問に会場は笑いに包まれ拍手が起きました」(同)
お粗末過ぎる“禊動画”
玉木氏が須藤氏公認に疑問を呈する生徒の質問を受けて語った「我が党に所属する医師免許を持っている議員との対談」とは、6月30日に国民民主党が出したYouTube動画のことである。 タイトルは〈須藤元気さんに科学の大切さを伝えました〉。須藤氏と玉木氏に加え、同党の衆議院議員で医師の福田徹氏が出演。須藤氏に「ワクチンは、個人を守るだけでなく、集団免疫を作って社会全体を守るために必要な正しい政策」といった今更ながらの“常識”をわかりやすく説いている20分程度の動画だ。 授業を聞くようにメモを取りながら福田氏の話を聞いた須藤氏は、「自分自身、科学的根拠に乏しい発信だったなと反省しています」。玉木氏は「やっぱりしっかりコミュニケーションをして、科学的根拠に基づいて進めていくことが大切。国民民主党はそういう政策をブレずに改めてお示しできたと思います」と笑顔で締めていた。 先に挙げた“ぶら下がり”とこの動画のセットで玉木氏は須藤氏の「禊を済ませた」と考えているようだが、はたしてエリート高校生たちは納得したのだろうか。
デイリー新潮編集部