【SNS犯人探し】自衛のため?犯罪の抑止力に?ネットに他人を晒すのはどこまでOK?|アベプラ
東京—先日、人気アイドルイベントで発生した暴力事件が、SNSを通じて新たな波紋を呼んでいる。緊迫した状況下、警察が駆けつける騒ぎとなり、その様子が撮影され、瞬く間にネットで拡散。多くの人々が犯人探しに乗り出す事態となった。
この事件は、SNSがどのようにして犯罪防止に寄与するか、またその行為が個人のプライバシーをどのように侵害するかという議論を引き起こしている。昨年8月には、ある農家の畑で野菜泥棒が現れた際、映像が公開され、犯人の特定につながったケースもあった。農家の主は「SNSに映像を公開したことで、新たな情報を得ることができた」と語る。
一方で、SNSによる犯人探しにはリスクも伴う。個人の顔を無許可で晒す行為が、社会的制裁や誤解を生む可能性があるとの指摘も多い。自身の店が盗難被害に遭った山本さんは、「今の法律では被害者が泣き寝入りすることが多い」と訴え、SNSを利用した自衛の重要性を強調した。
しかし、法的な観点からは、無関係な人が晒されるリスクも存在する。長岡弁護士は「SNSでの晒し行為が個人に対する不当な制裁を生む恐れがある」と警鐘を鳴らす。実際、無実の人がネット上に晒され、損害賠償を求められるケースも報告されている。
このような背景の中、SNSを利用した犯人探しが果たして犯罪抑止力となるのか、それとも新たなトラブルを生むだけなのか、社会全体での真剣な議論が求められている。今後の動向に注目が集まる。