ことし4月、長崎県対馬市から福岡市に向かっていた医療搬送用ヘリコプターが海上に不時着水し、患者や医師など3人が死亡、3人がケガをした事故で、事故機のテール・ローター、後部回転翼を制御するコントロール・ロッドと呼ばれる部品の前方部が破断していたことが分かりました。 【画像】テール・ローターの制御部品が破断と判明 国交省は同系列型85機の点検と必要に応じた交換を指示

発表資料より
これは、事故の原因を調査している国土交通省の運輸安全委員会が2日夜、これまでの調査の結果として発表したものです。 この部品は機体を制御する上で重要だとして、破断した場合、事故が発生する恐れがあるとしています。一方、破断の原因については今後、詳細な調査を行うとしています。

運輸安全委員会の航空事故調査官(4月)
これを受け、国土交通省は「耐空性改善通報」を出し、事故機と同じ系列型の機体の所有者に対し、この部品を点検し、必要に応じて交換するよう指示しました。 対象は、エアバス・ヘリコプターズ(ユーロコプター)式EC135系列型航空機で、85機が該当するということです。次に飛行する時までに実施するよう求めています。 このコントロール・ロッドは、2007年12月に静岡市で発生したヘリの事故でも破断しています。

事故が起きた機体(4月)
今回の事故をめぐっては、国土交通省が、佐賀市に本社を置くヘリの運航会社「エス・ジー・シー佐賀航空」を立ち入り検査し安全管理体制に問題がなかったか調べるとともに、海上保安庁が業務上過失致死傷などの疑いで調べています。