兵庫県芦屋市に住む投資家でインフルエンサーの斎藤待機容疑者(33)が、悪質な点検商法に関与したとして逮捕されました。彼は自身のSNSで豪華な生活を披露し、多くの若者を惹きつけていたとされています。
斎藤容疑者は、約6億円の豪邸や高級車を所有していることを自慢し、SNSを通じて「成功した投資家」としてのイメージを築いていました。彼は、1000万円以上の価値があるネックレスや高級オーディオ機器を身に着け、派手な生活を演出していました。しかし、その裏には不正なビジネス手法が隠されていた模様です。
逮捕の背景には、彼が実質的にオーナーであるリフォーム会社と共謀し、屋根修繕の契約を結ぶ際に、クーリングオフの制度を無視し、必要な契約書面を交わさなかった疑いがあります。このような悪質な点検商法は、突然訪問したセールスマンが不安を煽ることで、高額な工事契約を結ばせる手法であり、高齢者を狙うことが多いとされています。
逮捕を受けて、斎藤容疑者の知人は「こんなことになるとは思わなかった」と驚きを隠せない様子でした。また、SNSでの派手な生活を通じて集められた「ファン」たちには、実態のないビジネスへの関与を促していた可能性も指摘されています。
警察は、斎藤容疑者が特定小取引法違反で逮捕されたことを受け、彼が特有の犯罪グループのトップである可能性についても調査を進めています。彼の逮捕は、これまでの特殊詐欺や強盗の指示役の逮捕とは異なり、直接的な指示役にまで捜査が進展したことを示しています。
斎藤容疑者のケースは、SNSを通じて簡単に成功をアピールし、若者を勧誘する新たな手法の一例とも言えます。今後の捜査によって、彼の背後にいる「黒幕」や、さらなる犯罪行為の実態が明らかになることが期待されています。
この事件は、若者たちがSNSでの派手な生活に惑わされず、冷静に情報を判断する重要性を改めて浮き彫りにしました。また、高齢者を狙った悪質商法についても、地域社会全体での情報共有と警戒が必要であることが強調されています。