埼玉県川口市で、不法滞在が20年以上にわたったクルド人男性「マヒル」が強制送還されたことが報じられ、これに伴い、同コミュニティの他のクルド人家族もトルコへの帰国を始めているとの情報が浮上しています。この出来事は、地域のクルド人コミュニティに大きな衝撃を与えています。
マヒル氏は、強制送還の際に大声を上げるなど物理的な抵抗を試みたものの、最終的には成田空港からトルコのイスタンブール行きの便に搭乗しました。彼は、20年以上にわたる不法滞在の中で、さまざまな活動を行い、地域のクルド人コミュニティ内でボス的存在として知られていました。しかし、強制送還により、彼の影響力が揺らぎ、他のクルド人家族が帰国する動きが加速しているとされています。
地元の関係者によると、最近ではマヒル氏の強制送還を受けて、クルド人家族が続々とトルコに帰国しているとのことです。特に、子供の学校のことを考慮すると、9月のトルコの新学期に合わせて帰国するタイミングが良いとされています。この動きは、クルド人コミュニティの中での法的な問題への警戒感を高めているようです。
マヒル氏は、2002年に家族と共に来日し、以降難民申請を繰り返しましたが、いずれも認められず、最終的には強制送還となりました。彼の不法滞在は、地域の政治家や団体との接触を通じて続けられていたとされ、地元の福祉基金に寄付を行うなどして、善意の活動をアピールしていましたが、これが逆に彼の不法滞在を助長していたとの指摘もあります。
今回の強制送還は、単なる個人の問題に留まらず、川口市内に住む約700人のクルド人に影響を及ぼす可能性があり、今後の動向が注目されます。地元関係者は、マヒル氏の強制送還が他の不法滞在者に対する強いメッセージとなることを期待しており、法に則った適切な対応が求められています。クルド人コミュニティにおける影響力の変化と、今後の帰国者の増加がどのように展開されるのか、引き続き注視する必要があります。