秋田県北秋田市で、熊に襲われ重傷を負った70代の男性に対し、同市が見舞金を支給することを発表した。市は25日の記者会見で、襲撃を受けた男性に対して5万円の見舞金を支給する方針を明らかにした。これは市内での熊による襲撃に対する初めての見舞金支給となる。
襲撃が発生したのは21日で、男性は作業中に熊に遭遇し、重傷を負った。市はこの事件を受けて、地域の安全対策を強化する必要性を認識し、今後の対策を講じることを決定した。具体的には、市内の約1400人の小中学生に熊の鈴を緊急配布することも発表された。この鈴は、熊が近づくのを防ぐための手段として位置付けられている。
しかし、熊の目撃件数は増えており、21日現在で177件、捕獲数は24件に達している。特に、2023年10月には市内中心部で5人が熊に襲われる事件が発生しており、市民の間には不安が広がっている。市は防災ラジオを通じて注意喚起を行い、外出時には音の出る物を持ち、複数人で行動することを呼びかけている。
一方で、熊の鈴の効果については疑問の声も上がっている。市民の中には、鈴の音が逆に熊を引き寄せるのではないかという懸念を抱く者もおり、「鈴を持っていることが熊にとっての餌だと学習してしまうのではないか」との意見もある。また、熊との遭遇時の対策として、より効果的な手段を求める声も高まっている。
このような状況を受けて、市は今後の対応について真剣に検討しなければならない。市民の安全を守るために、行政の責任が問われる中、地域住民の意見を反映した対策が求められている。北秋田市は、熊による襲撃が続く中で、どのようにして市民の安全を確保していくのか、その動向が注目される。