ペルー最高峰で日本人女性2人遭難し1人死亡 “国際山岳医”の資格持つベテランクライマーがなぜ
ペルーの最高峰ワカン山で、日本人女性2人が遭難し、そのうちの1人が死亡したことが確認された。遭難したのは、ベテランクライマーの稲田千明さんと寺田咲さんで、彼女たちは24日に山頂直下の標高6600メートル付近で体調不良に陥り、動けなくなったとされている。
稲田さんが所属する団体WMAJAPANは、2人が遭難したことを発表し、当初は両者とも意識があったものの、厳しい雪山の状況の中で捜索活動が難航したことが明らかにされた。山岳救助隊が26日に2人を発見した際には、稲田さんは意識を失っており、その後死亡が確認された。一方、寺田さんは意識があったため、現在救助活動が続けられており、ヘリコプターが到達可能な高度まで下山しているという。
亡くなった稲田千明さんは、医療アドバイザーであり、日本登山医学会が認定する国際山岳医の資格を持つ専門家であった。彼女は大学時代から登山に携わり、その知識と経験を山岳医療や野外救急の分野で生かしてきた。所属団体のホームページでは、自身の専門性と登山への情熱を結びつける思いを語っていた。
この悲劇的な事故は、登山の危険性を改めて浮き彫りにしている。特に、悪天候や高所での体調不良がもたらすリスクは、経験豊富なクライマーであっても避けられないことを示している。登山愛好者たちは、これらの出来事から学び、より安全な行動を心がける必要があるだろう。
現在、寺田さんの救助が進められているが、稲田さんの死は多くの人々に衝撃を与えている。登山界における彼女の業績と情熱は、今後も語り継がれていくことだろう。