長嶋茂雄さんの長男でタレントの長嶋一茂(59)が3日夕、コメントを発表し「長嶋茂雄は野球の星に帰りました」などと父親への思いをつづった。この日、都内の病院から長嶋さんのひつぎを乗せた車に次女・三奈さん(57)と同乗して帰宅。ソフトバンク・王貞治球団会長(85)ら弔問客に応対した。その後、都内でテレビ番組の収録に予定通り参加した。
【写真】緊急帰国した松井秀喜氏を三奈さんが出迎え
旅立ちから約7時間後。一茂は午後1時20分ごろ、三奈さんと、都内の病院から長嶋さんのひつぎを乗せた車に同乗する形で長嶋さんの自宅に戻った。車から降りると、集まった報道陣に深々と頭を下げたが、言葉はなかった。
その後、王氏が弔問に訪れた。このときも2人はそろって王氏を自宅前まで出て見送った。夕方、一茂は都内のテレビ局に移動。当初の予定を変更することなく、収録に参加した。関係者によると、周囲に気を使わせまいと、気丈に振る舞っていたという。
一茂が父親に関するコメントを発表したのは午後4時過ぎ。「父の野球人生は誰よりも幸せな89年間だった」「長嶋茂雄は野球の星に帰りました」などと、「父」「長嶋茂雄」を使い分け、2つの目線からつづられた冷静な内容でまとめられていた。私的な親子関係については多くは触れず、父親を支えた人々への感謝の気持ちを前面に出した。
一茂は、立教高から長嶋さんと同じ立教大野球部で活躍し、1987年、ヤクルトにドラフト1位で入団。翌88年の巨人戦でのプロ初安打を本塁打で飾るなど活躍を期待された。長嶋さんが巨人の監督に復帰した93年、金銭トレードで巨人に移籍。親子で注目されたが、ケガに泣かされることが多く、96年に引退した。
引退後はタレントに転身。俳優として出演した02年公開の映画「ミスター・ルーキー」では、報知映画賞新人賞を受賞した。極真空手の選手としても活動。現在は多くのバラエティー番組にレギュラー出演する活躍を見せている。
【一茂コメント全文】
父、長嶋茂雄が永眠いたしました。父にとって野球は人生そのものであり、最愛の存在でした。長嶋茂雄が野球にささげた人生の礎を築くことができたのは、ファンの皆さまをはじめ、野球関係者、スポンサーの皆さまの温かいご支援のおかげです。父の野球人生は誰よりも幸せな89年間だったと感じております。
長嶋茂雄は野球の星に帰りました。生前、グラウンドで残したたくさんの情熱が、これからの日本プロ野球界の発展に少しでも役に立つことを父も願っていたことと思います。
長い間、父、長嶋茂雄にご声援をいただき本当にありがとうございました。