川崎市で発生した女性遺体遺棄事件に関し、警察と遺族の主張が食い違っていることが明らかになりました。警察は岡崎朝日さんの死に関して、ストーカー被害の相談を受けていた認識がないとしていますが、遺族は警察の対応に強い不満を示しています。
事件は、岡崎さんの元交際相手である白井秀容疑者(27)が、岡崎さんの遺体を自宅に遺棄した疑いで逮捕されたことから始まりました。岡崎さんは失踪した当日の朝、職場近くで白井容疑者と会う予定でしたが、会えずに行方不明になっていました。遺体は白井容疑者の自宅から発見され、警察は遺体の発見後、速やかに捜査を開始しました。
岡崎さんの家族は、警察に対し「ストーカーで捕まえてくれ」と何度も訴えたと語っており、警察の認識は異なり、ストーカー事案ではなくDV(ドメスティック・バイオレンス)として捜査を進めたとのことです。岡崎さんは、1年前から白井容疑者にストーカー行為を受けていたとされ、昨年9月には物を向けられる事件が発生し、被害届けが提出されましたが、その後取り下げられました。
遺族は、岡崎さんが取り下げるよう脅迫されていたと主張しており、警察の捜査が不十分だったのではないかという疑念が広がっています。警察は、被害者が被害届けを取り下げたからといって直ちに危険がなくなるわけではないという認識を示していますが、遺族が求めた早急な対応がなかったことに対する不満は根強いものがあります。
事件の発覚後、白井容疑者は任意同行され、その後遺体を遺棄した疑いで逮捕されました。しかし、捜査が進むにつれ、なぜ警察の対応に時間がかかったのか、そしてストーカー行為の規制に対する警察の消極的な姿勢が問題視されています。遺族は「もう少し早く警察が動いていたら、助かったかもしれない」と悔しさを滲ませています。
警察は、岡崎さんの死亡に関与した可能性を視野に入れ、捜査を続けているとしていますが、遺族の信頼を回復するには時間がかかるかもしれません。この事件は、ストーカー行為やDVの問題がいかに深刻であるかを再認識させるものとなりました。警察の対応が今後どのように改善されるのか、注目が集まります。