関西万博が開幕したものの、主要な交通手段であるパーク&ライド(P&R)システムの利用率が著しく低下していることが明らかになりました。万博会場へのアクセスを担うこのシステムは、来場者が専用駐車場に車を停め、シャトルバスに乗り換える方式ですが、周知不足が響き、利用者の期待を下回っています。
万博協会関係者によると、開幕直後の平日には専用駐車場の稼働率が1割にも満たなかったとされています。最大6000台を収容できる舞島の専用駐車場は、事前予約制であるにもかかわらず、万博協会のウェブサイトには連日「空あり」の表示が並んでいる状況です。万博協会の高純福事務総は、利用率が想定よりも低いことを認め、「駐車料金が6500円、一般道からの料金は7500円と高額で、シャトルバスも事前予約が必要なことがネックになっている」と指摘しています。
また、地下鉄で大阪市内から会場へ向かう場合の往復料金が860円であることを考慮すると、車での来場を選ぶ際の経済的な負担が大きいことが強調されます。さらに、パーク&ライドの利用は、会場までの移動に一定の手間がかかるため、来場者にとっては魅力的ではないとの声も上がっています。特に、駐車場から会場まで200メートル以上歩かなければならない点や、混雑を避けて公共交通機関を選ぶ傾向も影響していると見られています。
万博運営側は、交通手段としての利便性向上に向けた対策を講じる必要性が高まっています。開幕日には、東ゲートの混雑が報告されましたが、その後はオペレーションの改善が進んでいるとされています。一方で、万博会場の混雑を危惧する声も多く、特にゴールデンウィークに向けて予約枠の増加が検討されていることからも、混雑状況の改善に向けた取り組みが求められています。
今後、万博運営側が柔軟な料金設定や予約システムの見直しを行い、来場者の利便性向上に努めることが期待されます。関西万博の成功には、交通手段の改善とともに、多くの来場者を迎えるための戦略的な対応が不可欠です。