車椅子アイドルの狩りさんが、女性に対するAED(自動体外式除細動器)の使用をためらう風潮について言及し、命の優先性を訴えました。狩りさんは、東京の湯島聖堂での地震によって赤髄損傷を負い、現在は車椅子ユーザーとして活動しています。彼女は、SNSを通じて「女性が倒れていても、AEDを使用するのはリスクが高いから放置する」という意見に対し、自身の体験を交えながら反論しました。
狩りさんは、過去に男性に助けられた経験を述べ、「もしその男性が、周囲の声に影響されて私を放置していたら、今は生きていなかったかもしれない」と語りました。彼女は、命の危機に直面したときには、性別や体に触れられることを気にする余裕はないと強調し、「まずは人命を優先するべきである」と訴えました。また、緊急時には無条件で助け合う社会を目指すべきだとし、AEDが必要な場合には遠慮なく使用してほしいと呼びかけました。
この発言に対し、ネット上では賛否が分かれています。一部のコメントには、狩りさんの経験に共感し、AEDは躊躇せずに使用すべきだという意見が寄せられています。一方で、女性への身体的接触に対する警戒感が高まっている現実も指摘され、助ける側もリスクを考慮しなければならないという意見も見受けられました。
さらに、近年では迷子の子供を助ける際にも、周囲の誤解を避けるために警察に連絡するだけにとどまる傾向が広がっており、社会全体で人助けに対する風潮が変化していることが懸念されています。狩りさんのような意見が少数派に留まる現状では、今後もこの風潮が続く可能性があると考えられています。
最終的に、狩りさんは命の尊さを再確認し、救助活動に対する社会的な理解とサポートが必要であると訴えました。彼女のメッセージは、命を救うためには行動を起こす勇気が不可欠であることを示唆しています。