◆米大リーグ ドジャース5―4タイガース(27日、米カリフォルニア州ロサンゼルス=ドジャースタジアム)
ドジャース・大谷翔平投手(30)が27日(日本時間28日)、東京から“10日越し”の2試合連発をマークした。米開幕戦の本拠地・タイガース戦に「1番・DH」で先発出場。7回に両リーグトップタイの2号ソロを放ち、早くもシーズン換算で108本塁打の無双状態に突入した。今季からは規格外の長尺バットを使いこなし、チームの2年連続世界一、個人として3年連続MVPに挑む。
ロサンゼルスに大谷の“爆音”が帰ってきた。1点リードの7回2死。右腕・ハニフィーの95・8マイル(約154・2キロ)のシンカーを捉えた。「いいところに打てたと思います」。外寄りを逆らわず左翼席へ。2号ソロは東京シリーズ第2戦だった19日のカブス戦から、海を越えて10日越しの2戦連発。同僚のエドマンらと並び“指定席”のキングに立ち、シーズンで換算すれば108発となる異次元の好発進だ。
3回2死では昨季サイ・ヤング賞左腕のスクバルから通算8打席目で初安打となる右前打。ともにMVPに輝いた23、24年に続いて3年連続の開幕3試合連続安打は吉兆だ。「ちょうど試合が始まった時が一番眠気がある」と時差ボケは解消されていないが、「重圧というのはもう(東京で)開幕していますし、比較的東京シリーズより自然に入れた」とほほ笑んだ。
今季はチャンドラー社製のメープル素材で長さ35インチ(約88・9センチ)の長尺バットを使用している。昨季の34インチ(約86・4センチ)と比べて約2・5センチもアップした。34・5インチ(約87・6センチ)と併用していく模様だが、理由を聞かれ「もっといい打撃を求める中で、こっちの方が良いんじゃないかなと思った時は変えますし、短い方がいいと思った時はそれに対応していければいい」と説明した。
本拠地初戦は昨季のワールドシリーズ(WS)制覇を祝うムードで始まり、胸の「Dodgers」の文字や背番号が金色の“ゴールデン・ユニホーム”を着用した。愛犬のデコピンと球場入りした大谷は「特別なユニホームを着させてもらって、(試合前に)セレモニーやって、何とか勝ちたいと思っていました」。第1子妊娠中のため来日できなかった真美子夫人にも、今季初めて目の前でアーチを届けた。
チームは9年ぶりの開幕3連勝。「彼は本当に期待を裏切らない」とロバーツ監督は大谷をたたえた。「また来年も(セレモニーを)できるように、連覇というのが一番の目標。そのいい一歩目になった」と背番号17。大谷の奏でる打球音が響くたび、世界の頂点が近づいてくる。(中村 晃大)