福山保さん(仮名)は、父親からの性的暴行の被害を訴えるため、富山地裁での証言に臨みました。彼女は、当時高校生だった2016年8月に父親である大門被告から性的暴力を受けたとされています。法廷に向かう車内で、福山さんは不安を抱えながらも、真実を語る決意を固めていました。「自分が言わなかったことに後悔したくない」と彼女は語り、現実の厳しさを伝えたいと強調しました。
大門被告は、福山さんとの性行為を認めつつも、「逆らえない状態ではなかった」と無罪を主張しています。裁判では、父と娘の間に仕切りが設けられ、互いに視界を遮る形で進行されました。福山さんは、父親による身体的な虐待や恐怖の存在について証言し、彼女の生活にどれほど深刻な影響を与えたのかを明かしました。
法廷での証言中、福山さんは「初めての性的暴行を受けた時、人生が終わったと思いました」と振り返り、その後も苦しい日々が続いたことを語りました。彼女は、性的暴力の現実を知ってもらいたいと願い、今回の証言を行った理由を明確にしました。
「なぜ私にこのようなことをしたのか、聞きたい」と福山さんは訴え、被告に対して重い罪を求めました。証言の中で、父親の近くにいることの恐怖や、過去のトラウマがフラッシュバックする様子も描写され、彼女の心の苦痛が伝わってきます。
次回の裁判は来月17日に予定されており、福山さんの元交際相手の証人尋問が行われる予定です。この事件は、性暴力の問題について社会がどのように向き合うべきかを考えさせる重要な機会となるでしょう。福山さんが証言を通じて伝えたいメッセージは、性加害を根絶するための一歩となることを願っています。