伊藤詩織さんが監督を務めたドキュメンタリー映画『ブラックボックスディアーズ』において、許可を得ていない映像が複数使用されているとの指摘が寄せられています。この問題を受け、伊藤さんは謝罪し、今後は個人が特定されないように映像を差し替える考えを示しました。
この映画は、伊藤さんが性的暴行の被害を訴えた事案に関連しており、刑事手続きでは訴処分となったものの、その後の民事裁判で成行位に同意がなかったことが認められるまでの過程を記録しています。20日に都内で行われた会見では、伊藤さんの元代理人の弁護士が登場し、裁判以外では使用しないとされていた防犯カメラの映像が無断で使われていることを指摘しました。これにより、関係者の人権が脅かされる可能性があると訴えました。
伊藤さんはこの問題についてコメントを発表し、「映像を使うことへの承諾が抜け落ちてしまった方々に心よりお詫びします」と述べ、最新バージョンでは全ての映像に対処する意向を示しました。防犯カメラの映像については、ホテルからの承諾が得られなかったために加工して使用したと説明し、その必要性を強調しました。
また、この作品はアメリカのアカデミー賞にノミネートされており、発表は日本時間の3月3日に行われる予定ですが、日本での公開日は未定です。映画の公開を巡る問題を受けて、ネット上では多くの批判の声が上がっています。伊藤さんの行動に対して「自分の人権には敏感なのに、他人の権利を無視している」といった意見や、映画が引き起こす可能性のある論争についての懸念が寄せられています。
この件は、伊藤さん自身の名声や社会的な影響にどのように影響するのか、また、ドキュメンタリー制作における倫理的な側面についても注目が集まっています。今後の対応が待たれる中、伊藤さんとそのチームは、この問題をどのように乗り越えていくのかが鍵となるでしょう。