広陵高校OBで元プロ野球選手の金本知憲氏が、過去の野球部での壮絶な「しごき」の実態を告白し、衝撃が走っている。金本氏は自身の著書で、40年前の高校時代に受けた非人道的な扱いを明かし、現在のいじめ問題に警鐘を鳴らしている。彼の告白は、単なる過去の出来事ではなく、今もなお続く深刻な問題を浮き彫りにしている。
金本氏は、当時の先輩からの暴力的なしごきについて「スパイクを履いたまま太ももを踏まれ、肉がえぐられた」と恐怖の体験を語った。これは単なるいじめではなく、まさに暴行そのものであり、彼は逆らうことができず、耐え忍ぶしかなかったという。さらに、監督までもがこのような暴力を助長する発言をしており、「告発すれば野球部に迷惑がかかる」と脅迫する様子は、まさに異常事態といえる。
この告白がSNSで拡散される中、金本氏の時代と現在の状況が驚くほど似ていることが明らかになった。監督の権力が絶対的であるため、選手たちは恐怖に怯え、声を上げることができない。金本氏自身も、進学のチャンスを奪われるなど、個人の意志が尊重されない環境に苦しんでいた。
一方、甲子園に出場した海星高校の野村直道監督は、いじめ問題に対して真摯な姿勢を示し、上級生も下級生も平等に扱うことの重要性を訴えた。「弱い子を助ける人間の集団であるべきだ」と語る彼の言葉は、今の時代に必要なメッセージとして響く。
このような状況に対し、金本氏は「理不尽なことに耐えなければならないのか」と疑問を呈し、厳しい練習と暴力は明確に異なると主張する。彼の言葉は、多くの人々に共感を呼び起こし、今後の高校野球界に新しい風を吹き込むきっかけとなることが期待される。
この問題がこれからどのように進展するのか、注視が必要だ。日本の高校野球界における伝統と暴力の関係を見直す時が来ている。金本氏の告白は、過去の闇を照らし出し、未来への道筋を示す重要な一歩となるだろう。