オランダで女子ラグビーの試合中、トランス女性選手による衝撃的なタックルが引き起こした大怪我が報告され、スポーツ界に激震が走っています。この事件の被害者、エレナ・キング選手は、試合中に膝の靭帯を断裂し、現在は再起不能の危機に直面しています。彼女は、トランス女性選手の強力なタックルによって、膝を引き裂かれるような衝撃を受けたと語っています。
エレナ選手は、1月の試合でトランス女性選手からのタックルを受け、膝の前十字靭帯(ACL)や内側側副靭帯(MCL)が断裂しました。試合後、彼女は激痛に苦しみ、神経損傷の診断を受けています。現在、彼女は6ヶ月のリハビリを経て再び走れるようになるかどうか不明な状況です。
エレナ選手は、怪我が女子同士の試合では起こり得ない強度であったと強調しています。「女性では持ちえない強さを感じました。これは偶発的な事故ではなく、構造的な問題です」と彼女は述べています。また、試合中にトランス女性選手が他の2選手にホールドされているところを狙ってタックルを仕掛けたことが、彼女の怪我の原因であると明かしています。
事件後、トランス女性選手は一時的に出場停止処分を受けましたが、数試合後には復帰し、5月には試合に出場してプレイヤー・オブ・ザ・マッチに選ばれています。この事実に対し、エレナ選手は「私は排除を求めているのではなく、スポーツにおける安全と公平性の議論をしている」と強調しています。彼女は、女子スポーツにおける安全基準の見直しが必要だと訴えています。
オランダラグビー協会に対しても手紙を送り、自身の体験を伝えたエレナ選手ですが、協会の対応は冷淡で、自身の実力不足とされる発言に涙を流したと語っています。彼女は、ラグビーという激しいコンタクトスポーツにおいて、選手の身体的条件に最低限の安全基準が求められるべきだと主張しています。
この事件は、トランス女性選手の参加を巡る議論を再燃させています。ワールドラグビーは2020年に生物学的男性の女子カテゴリー出場禁止を明言しており、他国でも同様のルールが適用されています。今、私たちが直面しているのは、トランス女性を排除するか否かではなく、スポーツの場において安全と公平性をどう担保するのかという根本的な問題です。
エレナ選手の声には、今後のスポーツ界における重要な議論が潜んでいます。彼女は、「私たちは誰かを排除しようとしているのではない。生物学的な身体差とスポーツを安全に楽しむ権利について、正面から語らなければならない時代に入っている」と訴えています。この問題への沈黙は、将来さらに深刻な事故を生む可能性があるため、関係者は真剣に向き合う必要があると考えられます。