フィギュアスケートのグランプリシリーズ第4戦、NHK杯が開幕しました。今大会は3日間の日程で行われ、このうち男子シングル前半のショートプログラムでは、鍵山優真選手がトップ、三浦佳生選手が2位、壷井達也選手が3位となっています。ペアの前半、ショートプログラムでは三浦璃来選手と木原龍一選手の“りくりゅうペア”がトップに立ちました。女子シングル前半のショートプログラムが始まり、坂本花織選手が登場します。1日目の競技について速報でお伝えしています。NHKは、全種目を中継でお伝えしています。
目次
- 《女子シングル(ショートプログラム)》
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NEW
【前半6人終了 暫定順位】青木祐奈がトップ
NHK杯 1日目 女子シングル(ショートプログラム)は【NHKプラスで配信中】↓↓↓
【前半6人終了 暫定順位】青木祐奈がトップ
▽1.青木 祐奈[日本] 69.78(技術点36.89 演技構成点32.89 減点0.00)▽2.アリサ・リウ[アメリカ] 65.03(技術点33.68 演技構成点31.35 減点0.00)▽3.ブレイディー・テネル[アメリカ] 62.05(技術点29.79 演技構成点32.26 減点0.00)▽4.ララ・ナキ・グットマン[イタリア] 61.51(技術点30.87 演技構成点30.64 減点0.00)▽5.ウィ・ソヨン[韓国] 61.43(技術点33.82 演技構成点27.61 減点0.00)▽6.オルガ・ミクティナ[オーストリア] 60.94(技術点30.78 演技構成点30.16 減点0.00)
19:05すぎ
女子シングル ショートプログラム始まる
午後7時5分すぎ、女子シングル前半のショートプログラムが始まりました。登場するのは青木祐奈選手が2番目、千葉百音選手が10番目、坂本花織選手が最後の12番目です。
【スタートリスト】
▽1.アリサ・リウ [ アメリカ ]▽2.青木 祐奈 [ 日本 ]▽3.ウィ・ソヨン [ 韓国 ]▽4.ブレイディー・テネル [ アメリカ ]▽5.オルガ・ミクティナ [ オーストリア ]▽6.ララ・ナキ・グットマン [ イタリア ]▽7.リンジー・ソーングレン [ アメリカ ]▽8.キム・イェリム [ 韓国 ]▽9.ニーナ・ペトロキナ [ エストニア ]▽10.千葉 百音 [ 日本 ]▽11.エカテリーナ・クラコワ [ ポーランド ]▽12.坂本 花織 [ 日本 ]
《男子シングル(ショートプログラム)》
- 注目
男子シングル 鍵山1位 三浦2位 壷井3位で後半へ
鍵山優真 選手
男子前半、ショートプログラムで、鍵山優真選手と三浦佳生選手がともに100点を超える高得点で1位と2位になるなど、日本選手が3位までを独占しました。
男子シングル前半のショートプログラムに出場した北京オリンピックの銀メダリストで、今大会がシリーズ初戦の鍵山選手は冒頭の4回転サルコーで4点近い出来栄え点の加点を得ました。そして、続く4回転と3回転のトーループの連続ジャンプを流れるように決めたあと、トリプルアクセルも決めて、スピンとステップもすべて最高評価のレベルフォーとなりました。鍵山選手は105.70の高得点でNHK杯連覇に向けてトップでスタートしました。
また、シリーズ初戦のアメリカ大会で3位に入った三浦佳生選手はすべてのジャンプで高い加点を得て、初めて100点を超える102.96をマークして2位に入りました。
さらに、壷井達也選手が自己ベストを更新する85.02で3位に入り、日本選手が1位から3位を独占しました。男子シングル後半のフリーは、9日に行われます。
SP1位 鍵山優真「演技よかったが五輪の得点届かず悔しい」
鍵山優真選手は「演技はすごくよかったが、点数は、北京オリンピックの時の108点を目指していたので3点届かず悔しかった。あとはサルコーやスピンをもう少し突き詰めていきたい」と話しました。そのうえで9日のフリーに向けては「2連覇という結果は皆さんも期待しているし僕自身も願っているが、結果を気にしすぎず、あしたはあしたで自分がやるべきことを出し切りたい」と意気込んでいました。
SP2位 三浦佳生「興奮が残っていて消化できていない」
ショートプログラムで初めて100点を超えた三浦佳生選手は得点が発表された瞬間、手をたたきながら大きく声をあげて喜びを表してました。その後のインタビューに対しては「まだ興奮が残っていて消化できていないが、すごくうれしい」と話しました。また、演技については「練習から調子はよくなかった。けがで練習できていない期間もあり不安が残っていたが、割り切って集中してできてよかった。練習から本番までに切り替えられたのがよかった」と話しました。そのうえであすのフリーに向けて「きょうはいい点数をもらえたので、フリーもベストパフォーマンスができれば」と話していました。
SP3位 壷井達也「あすもガッツポーズを出せる演技を」
壷井達也選手はショートプログラムで自己ベストを更新し、演技終了後にはガッツポーズをして喜びを表しました。その後のインタビューでは「去年のショートプログラムでの出遅れが自分の心のどこかにあり演技前はすごく緊張したし、怖かった部分もあった。それに打ち勝つことができ本当にうれしかった。最初の4回転サルコーは、自分の中でも一番よいジャンプが跳べたと思う」と振り返りました。そのうえで9日のフリーに向けて「まずは自分が思い描くような演技ができたが、ここから気持ちをしっかりと切り替えて、あすのフリーでもガッツポーズを出せる演技ができるように頑張りたい」と話していました。
【NHKプラスで配信中】男子シングル(ショートプログラム)2024年11月15日まで【1日目 結果】男子シングル(ショートプログラム)
▽1.鍵山 優真[日本] 105.70(技術点59.41 演技構成点46.29 減点0.00)▽2.三浦 佳生[日本] 102.96(技術点58.33 演技構成点44.63 減点0.00)▽3.壷井 達也[日本] 85.02(技術点48.47 演技構成点36.55 減点0.00)▽4.アンドリュー・トルガシェフ[アメリカ] 84.36(技術点45.70 演技構成点38.66 減点0.00)▽5.ダニエル・グラスル[イタリア] 83.01(技術点44.64 演技構成点39.37 減点1.00)▽6.ウラジーミル・リトビンツェフ[アゼルバイジャン] 81.85(技術点45.53 演技構成点36.32 減点0.00)▽7.マッテオ・リッツォ[イタリア] 81.79(技術点42.87 演技構成点39.92 減点1.00)▽8.ガブリエレ・フランジパーニ[イタリア] 81.33(技術点43.10 演技構成点38.23 減点0.00)▽9.マーク・ゴロドニツキー[イスラエル] 77.74(技術点41.30 演技構成点36.44 減点0.00)▽10.ジェイソン・ブラウン[アメリカ] 77.08(技術点35.79 演技構成点42.29 減点1.00)▽11.樋渡 知樹[アメリカ] 74.59(技術点38.80 演技構成点35.79 減点0.00)▽12.イム・ジュホン[韓国] 74.31(技術点39.06 演技構成点35.25 減点0.00)
16:15すぎ
男子シングル ショートプログラム始まる
午後4時15分すぎ、男子シングル前半のショートプログラムが始まりました。登場するのは壷井達也選手が2番目、鍵山優真選手が10番目、三浦佳生選手が最後の12番目です。
【スタートリスト】
▽1.樋渡 知樹 [ アメリカ ]▽2.壷井 達也 [ 日本 ]▽3.イム・ジュホン [ 韓国 ]▽4.アンドリュー・トルガシェフ [ アメリカ ]▽5.マーク・ゴロドニツキー [ イスラエル ]▽6.ダニエル・グラスル [ イタリア ]▽7.ジェイソン・ブラウン [ アメリカ ]▽8.ウラジーミル・リトビンツェフ [ アゼルバイジャン ]▽9.ガブリエレ・フランジパーニ [ イタリア ]▽10.鍵山 優真 [ 日本 ]▽11.マッテオ・リッツォ [ イタリア ]▽12.三浦 佳生 [ 日本 ]
《ペア(ショートプログラム)》
- 注目
ペア(ショートプログラム)は“りくりゅう”がトップ
“りくりゅう” 木原選手と三浦選手
ペアの前半、ショートプログラムが行われ三浦璃来選手と木原龍一選手の“りくりゅうペア”が71.90をマークしてトップに立ちました。
ペア前半のショートプログラムに出場した三浦選手と木原選手の“りくりゅうペア”は冒頭、木原選手が三浦選手を真上に投げて3回転させてキャッチする「ツイストリフト」を決めて出来栄え点で2点近い加点を得ました。続く3回転トーループでは三浦選手の着氷が乱れましたが、このあとのリフトやスロージャンプは大きなミスなくそろえました。2人は優勝したシリーズ初戦のアメリカ大会の時より低かったものの、71.90をマークして前半をトップでスタートしました。
9日のフリーを終えて合計で3位以内に入れば、シリーズ6大会の上位6人が進むファイナルへの出場が決まります。また、2年連続出場の長岡柚奈選手と森口澄士選手のペアは自己ベストを更新する60.32をマークして5位につけました。
“りくりゅう”「ミスあった中でもリカバー」
“りくりゅうペア”の木原龍一選手は「レベルの取りこぼしが多かったのが残念だった。練習どおりのいいものができなかったのはもったいなかったが、ミスがあった中でもリカバーして集中してできた。70点台に乗せられたのは成長だと思う」と振り返りました。そのうえで、後半のフリーに向けて「練習ではいいものをやってきたので発揮できるように頑張りたい」と気持ちを切り替えていました。三浦璃来選手は「ミスがあったがそれ以降は強いマインドでできてよかった。あしたもきょうのようにミスがあっても最後まで力強い演技ができれば」と話していました。
長岡・森口「初の60点台 うれしい」
長岡柚奈選手は「初めて60点台に乗せられてとてもうれしい。いい点数を出せて2人とも気持ちが高ぶっているが、フリーでは切り替えて集中して満足できる演技ができるように調整したい」と話していました。ペアを組む森口澄士選手は「60点を超えられたことはすごくうれしいし、こういう大きな舞台でいい点数が出せていい演技ができて、すごく気持ちがよかった。ショートプログラムのよかった流れを生かして、あすも同じ気持ちでいきたい」と話していました。
【NHKプラスで配信中】ペア(ショートプログラム)2024年11月15日まで
【1日目 結果】ペア(ショートプログラム)
▽1.三浦 璃来 / 木原 龍一[日本] 71.90(技術点36.99 演技構成点34.91 減点0.00)▽2.アナスタシア・メチョルキナ / ルカ・ベルラワ[ジョージア] 70.28(技術点38.42 演技構成点31.86 減点0.00)▽3.エリー・カム / ダニー・オシェイ[アメリカ] 69.15(技術点36.47 演技構成点32.68 減点0.00)▽4.アニカ・ホッケ / ローベルト・クンケル[ドイツ] 67.37(技術点36.64 演技構成点30.73 減点0.00)▽5.長岡 柚奈 / 森口 澄士[日本] 60.32(技術点32.87 演技構成点27.45 減点0.00)▽6.ダリア・ダニロワ / ミシェル・ツィバ[オランダ] 58.90(技術点31.88 演技構成点27.02 減点0.00)▽7.アナスタシア・バイパン・ロー / ルーク・ディグビー[イギリス] 58.17(技術点30.11 演技構成点28.06 減点0.00)▽8.イザベル・マルティンス / ライアン・ベダード[アメリカ] 48.95(技術点23.79 演技構成点25.16 減点0.00)
14:40すぎ
長岡・森口ペア 自己ベスト更新
NHK杯は午後2時40分すぎからペア前半のショートプログラムが始まりました。2年連続出場の長岡柚奈選手と森口澄士選手のペアが最初に演技をして、自己ベストを更新する60.32をマークしました。
【スタートリスト】
▽1.長岡 柚奈 / 森口 澄士 [ 日本 ]▽2.イザベル・マルティンス / ライアン・ベダード [ アメリカ ]▽3.アナスタシア・メチョルキナ / ルカ・ベルラワ [ ジョージア ]▽4.アナスタシア・バイパン・ロー / ルーク・ディグビー [ イギリス ]▽5.ダリア・ダニロワ / ミシェル・ツィバ [ オランダ ]▽6.エリー・カム / ダニー・オシェイ [ アメリカ ]▽7.アニカ・ホッケ / ローベルト・クンケル [ ドイツ ]▽8.三浦 璃来 / 木原 龍一 [ 日本 ]
《アイスダンス(リズムダンス)》リズムダンス 吉田・森田組9位、田中・西山組10位
最初の種目、アイスダンス前半のリズムダンスが行われ、日本選手は吉田唄菜選手と森田真沙也選手のカップルが64.30で9位、田中梓沙選手と西山真瑚選手のカップルが59.15で10位でした。トップはアメリカのマディソン・チョーク選手とエバン・ベイツ選手のカップルで86.32でした。アイスダンス後半のフリーダンスは9日、行われます。
9位 吉田・森田組「楽しく滑れた」
吉田唄菜選手は「目標に掲げていたのがとにかく楽しむことで、楽しく滑れたので終わってほっとしている」と話しました。カップルの森田真沙也選手は「日本開催の大会で声援を間近で感じられてすごく楽しい時間だった。フリーではロミオとジュリエットを物語どおりに心から演技できるようにモチベーションを持っていきたい」と9日のフリーダンスに向けて意気込んでいました。
10位 田中・西山組「いい緊張で迎えられた」
田中梓沙選手は最初に演技したことについて「緊張するかなと思っていたが、そこまでではなく、いい緊張で迎えられたのがよかった」と話しました。カップルの西山真瑚選手は「たくさんの方が日の丸の旗を振ってくれて、とても力になった。あしたもできることを1つ1つやって、最後まで無事に滑りきりたい」と話していました。
【1日目 結果】リズムダンス
▽1.マディソン・チョーク/エバン・ベイツ[アメリカ] 86.32(技術点49.04 演技構成点37.28 減点0.00)▽2.クリスティーナ・カレイラ/アンソニー・ポノマレンコ[アメリカ] 79.64(技術点45.34 演技構成点34.30 減点0.00)▽3.アリソン・リード/サウリウス・アンブルレビチウス[リトアニア] 77.91(技術点44.08 演技構成点33.83 減点0.00)▽4.キャロライン・グリーン/マイケル・パーソンズ[アメリカ] 74.38(技術点42.03 演技構成点32.35 減点0.00)▽5.ロイシア・デムージョ/テオ・ル・メルシエ[フランス] 69.24(技術点37.46 演技構成点31.78 減点0.00)▽6.ジェニファー・ヤンセ・ファン・レンスブルフ/ベンヤミン・シュテファン[ドイツ] 68.82(技術点38.19 演技構成点30.63 減点0.00)▽7.折原裕香/ユホ・ピリネン[フィンランド] 67.34(技術点36.05 演技構成点31.29 減点0.00)▽8.マリー・デュパヤージュ/トマ・ナベ[フランス] 64.52(技術点35.38 演技構成点29.14 減点0.00)▽9.吉田唄菜/森田真沙也[日本] 64.30(技術点35.94 演技構成点29.36 減点1.00)▽10.田中梓沙/西山真瑚[日本] 59.15(技術点32.95 演技構成点27.20 減点1.00)
12:40すぎ
NHK杯が開幕 最初の種目 アイスダンス(リズムダンス)
フィギュアスケートのグランプリシリーズ第4戦、NHK杯が、午後0時40分すぎ、東京・渋谷の代々木第一体育館で開幕しました。最初の種目はアイスダンス前半のリズムダンスです。
【スタートリスト】
▽1.田中梓沙/西山真瑚(日本)▽2.吉田唄菜/森田真沙也(日本)▽3.マリー・デュパヤージュ/トマ・ナベ(フランス)▽4.ジェニファー・ヤンセ・ファン・レンスブルフ/ベンヤミン・シュテファン(ドイツ)▽5.折原裕香/ユホ・ピリネン(フィンランド)▽6.キャロライン・グリーン/マイケル・パーソンズ(アメリカ)▽7.ロイシア・デムージョ/テオ・ル・メルシエ(フランス)▽8.クリスティーナ・カレイラ/アンソニー・ポノマレンコ(アメリカ)▽9.アリソン・リード/サウリウス・アンブルレビチウス(リトアニア)▽10.マディソン・チョーク/エバン・ベイツ(アメリカ)
《1日目 予定》
▽12:35 ~アイスダンス(リズムダンス)▽14:35 ~ペア(ショートプログラム)▽16:10 ~男子シングル(ショートプログラム)▽19:00 ~女子シングル(ショートプログラム)※競技終了時間は20:30頃の予定。
《NHK中継予定》
▽【BS】12:30 ~アイスダンス(リズムダンス)▽【総合】14:30 ~ペア(ショートプログラム)▽【総合】16:05 ~男子シングル(ショートプログラム)▽【BS】19:00 ~女子シングル(ショートプログラム)▽【総合】19:30~女子シングル(ショートプログラム)【BSP4K】【BS8K】でも全種目生中継
開幕へ選手たちが最終調整
フィギュアスケートのグランプリシリーズ第4戦、NHK杯は8日から3日間、東京・渋谷の代々木第一体育館で行われ、開幕を前に選手たちは午前中からリンクで最終調整を行いました。このうち男子シングルの北京オリンピックの銀メダリストで大会2連覇を目指す鍵山選手は、軽やかな踏み切りから4回転ジャンプや連続ジャンプを次々と着氷したほか、ショートプログラムの曲をかけて演技の流れや振り付けを入念に確認していました。一方、女子シングルの北京大会の銅メダリストで世界選手権3連覇中の坂本選手も本番用の赤の衣装を着て得意のダブルアクセルなどを跳んでいました。第2戦のカナダ大会で優勝し、今大会にシリーズの上位6人で争うファイナル進出がかかります。このほか、三浦璃来選手と木原龍一選手の“りくりゅう”ペアは、前の大会でミスのあったツイストリフトを繰り返し確認していました。フィギュアスケートのNHK杯は、このあと午後0時半すぎから最初の種目、アイスダンス前半のリズムダンスが行われます。NHKは連日、全種目を中継でお伝えします。
《NHK杯 出場の日本選手》◆男子シングル
▽鍵山優真(かぎやま・ゆうま)選手 北京五輪 銀メダル▽三浦佳生(みうら・かお)選手 グランプリシリーズ第1戦のアメリカ大会3位▽壷井達也(つぼい・たつや)選手 2年連続出場
◇女子シングル
▽坂本花織(さかもと・かおり)選手 世界選手権3連覇中▽千葉百音(ちば・もね)選手▽青木祐奈(あおき・ゆな)選手
◆ペア
▽三浦璃来(みうら・りく)選手・木原龍一(きはら・りゅういち)選手のペア「りくりゅうペア」▽長岡柚奈(ながおか・ゆな)選手・森口澄士(もりぐち・すみただ)選手のペア
◇アイスダンス
▽田中梓沙(たなか・あずさ)選手・西山真瑚(にしやま・しんご)選手のカップル▽吉田唄菜(よしだ・うたな)選手・森田真沙也(もりた・まさや)選手のカップル
- 注目
《男女シングル NHK杯優勝経験者 鍵山・坂本に聞く》
(※取材は9月30日)
鍵山優真 連覇目指す
《経歴》横浜市出身 2003年5月5日生 NHK杯:2年連続3回目(優勝2回)北京五輪銀メダル。羽生結弦さんと宇野昌磨さん引退した今、日本の新たなエースとして期待される。ミラノ・コルティナペッツォオリンピックで金メダルを獲得するため、今シーズンは4回転ジャンプの本数を増やした構成に挑む。私生活では運転免許の取得や1人暮らしを始めるなど「独り立ち」をテーマに新たなシーズンに臨む。
Q.今シーズン初戦の大会(イタリアでの大会=2位)をどう受け止めているか?300点を目標にしていて、ちょっと届かなかったんですが、いろいろな発見があり、収穫があり、すごくいろんなことを得られた試合だったと思っています。ジャンプもミスがあったりしちゃったんですが、意外とよい部分より課題の方がすごく多くて、まだまだ伸びしろがあるなと思いました。Q.課題というのは具体的に、何を見つけた?1番わかりやすい部分で言うと、やっぱりジャンプ。ジャンプは、もっともっと良いものができるなと。失敗したジャンプについてはもちろんですが、跳べているジャンプについても、もっともっとGOE(出来栄え点)をあげれるなと思ったり。あとはステップやスピンもまだまだGOEが取れていない部分があったので、もっと曲を理解して、もっと曲の一部に入り込んでいけるようなパフォーマンスができるようにできたらいいなと思っています。Q.ジャンプを曲の中に溶け込ませるようなことを意識している?はい。最終的にはやっぱりジャンプとパフォーマンスを切り離すのではなく、ジャンプを振り付けの一部に見せるようにしていきたいというふうに思っているので。ジャンプとパフォーマンスを切り離しちゃうとつまらない演技になってきがちなので、しっかりと曲に溶け込ませて、溶け込ませるためにはジャンプを成功することが必要なんですけど、いろんな練習や努力が必要になってくるので頑張りたいという気持ちです。Q.ほかにはどんな発見が?初めてフリーを披露したので、ステップからのお客さんの盛り上がりがすごく良くて、それがすごいうれしかった。あとはショートの発見はあんまりないんですけど、ロンバルディア(大会)が終わってショートは結構いろいろ手直しを加えて、振り付けも結構大幅に変わったところもあるので、グランプリシリーズに向けて、よりよくできるんじゃないかなと思っています。Q.フリーのテーマが「フラメンコ」と最初聞いたときにはどうだった?最初が送られてきて聞いた時は、すごくかっこよかったんですけど、果たしてこれが自分に滑りきれるのかどうかというような心配だったり。若干不安もあったんですけど、振り付け師さんは、そんな不安を持っていたら、曲を僕に送ってこないのでな、それほどできる期待があったのかなというふうに思って。振り付け始めた時も、今までやったことのないようなジャンルだったので、すごく細かい表現というのが難しかったんですけど、今は少しずつですけれど、曲のイメージだったり、フラメンコ、モダンスパニッシュというのを理解しながらできているのかなというのはあるので、もっともっと仕上げてきたなと思っています。Q.実際に動画で実際のフラメンコの動画を見ることはある?そうですね。振り付けを始めるときに、YouTubeやローリー先生がいろいろ動画を見せてくれたので、ある程度完成形というか、これが本物のフラメンコなんだというふうなイメージはありますけど。まだそれとは全然遠くて、踊るだけじゃなくて、ジャンプをしたりスピンをしたり、いろいろな要素もあるので、その中で本物のフラメンコに近づけていくためには、相当な努力が必要だと思うので、そこはしっかりとこう滑りこなしたりとか、もっともっとこういろんなことを追求して、理想に近づいていけるように頑張りたいなと思っています。Q.フラメンコでの苦労は?前半の曲調はわりとゆったりと壮大な感じなので、足元は割とシンプルな動きが多くて、逆に、上半身だけでしっかりと動くようにしないといけないのが、すごく難しい部分ではあると思うんですけど。でも手の表現だったり、そういう細かいところを意識しながらやっているので、何よりやっぱり後半のステップからの畳み掛けというのが手もそうですけれど、足もステップを細かく踏みながらやらないといけないので、そこはすごく難しいですけど、1番盛り上がる部分だと思うので、そこはしっかりとスタミナをつけて表現ができるようにもっと努力しなきゃなと感じています。Q.振り付けでローリーさんはどういうイメージ?もらった言葉で印象的なものは?どういうイメージでというよりは、自分が振り付けしていて1番感じるのは、手の表現が1番難しいなと思っていて、フラメンコがすごく指先の形や手の表現というのが主な部分になってくる部分があるので、手の作りというのがすごく難しいなと思います。Q.どう手を使っている?カスタネットを持ったりするので、フラメンコは持っているイメージで、指先を作ったりとか、あとは体を叩くとか、手を叩くとか…。そういう振り付けももちろんあるので、そこがすごく難しいです。Q.さすがにカスタネットを持ちながら滑ることはない?持ちながら滑らないですけど、そういう表現もあるので。取り入れながら振り付けをしてくださっています。Q.情熱的なプログラムをやることはなかなかないと思うが、相性や感覚は?まだわからないですね。確実にロンバルディアのときのお客さんの反応を見て、もっと盛り上げるような確実な自信はあったので。マリニン選手もインタビューで、ボストンのお客さんはすごくこういうのが好きなんじゃないかみたいなのことを聞いて、すごくうれしかったんですけど、グランプリシリーズはNHK杯が最初ですが、日本のお客さんをドカンと盛り上げられるように頑張りたいです。Q.ショートプログラムでは去年までと異なり今回、穏やかな曲に。どんな印象?去年の「ビリーバー」はわりと表面での力強さだったりとか、疾走感みたいなのが出るようなプログラムだったんですけど、今シーズンは内側から情熱を作るといいますか。去年みたいに威嚇みたいな力強さはないんですけど、別角度からの情熱みたいなものは、今シーズンのショートにはあるので。そこを気持ちから作っていくという部分が、すごく大事になってくると思いますし、これはショートにもフリーにも言えることなんですけど、後半ですごく盛り上がるようなプログラムなので、そこでその盛り上がりに負けないようなステップだったりとかパフォーマンスをするのがすごく大事になってくると思っています。Q.今シーズンはショートもフリーも情熱的な感じ?そうですね、去年とも別角度の情熱というか、そこに加えて大人っぽさみたいなのが加わっているので。まだまだ大人っぽい雰囲気はないですけど、自分が目指したいパフォーマンスというのは少しずつ見え始めているかなというのは思っています。Q.鍵山選手を幼い頃から見ている人も多い中で「大人っぽさ」を作る苦労はあると思うが、どう「大人っぽさ」を演出しようとしている?難しいですね。ふだん大人でいることですかね。パフォーマンスの時だけ作るんじゃなくて、ふだんから心がけて、もう20歳を超えているので、子供っぽさは卒業してふだんから大人っぽい行動を心がけるように。でも大人っぽいってなんだっていう話なんですけど、自信を持って人生を送れるようにふだんから…。Q.自信がにじみ出るような感じ?ショートもフリーもどっちかと言うと、こじれるような表現ではないと僕は思っていて、やっぱりロリ先生も内側から力を伝わるようなというふうにいつも言ってくださるので、そういった、気持ちから作るパフォーマンスというのはすごく難しいんですけど、それができるようになったら、また1つ、表現の幅が増えるんじゃないかなと思って、毎日そういう期待を持ちながら練習しています。Q.ジャンプは今シーズン、昨シーズンの3種類3本から、1段階上げていると思うが今の感触は?フリーはまだ1本増やしているだけですけど、それでもやっぱりすごくきつくて大変なんですけど、それがゴールではなくて今シーズンは強いて言えば、もう1本増やしたい。5本をやっぱり入れたいなとフリーでは思っていて、ショートもすぐには変えないですけども、4回転フリップを入れてショートの時点でマリニン選手に対抗できるような構成を作っていきたいなと思っているので。本当に点数として見るなら、ショートはもちろん110点を狙いたいですし、フリーも220点はやっぱりほしいところではあるので、それを目指して今は地道な努力を重ねています。Q.4回転を最終的に5本入れるとなると、それはルッツ?はい。Q.今の段階でルッツの完成度はどれくらい?単発だとかなりよい状態です。でもまだ曲に入れられるかというような感じではないので、それには基礎となるスタミナも必要ですし、最後まで体を保ち続けられるパワというのも必要だと思うので、もっともっと別の陸上で体の強化トレーニングをしなければならない部分ももちろんあるんですけど。感触自体は本当によい感覚ででき始めているので、ジャンプだけ跳べたらいつでも入れられるという感じなんですけど。まだまだ今の構成でまずノーミスをしてからじゃないと無理かなと思っています。Q.氷上以外の陸上トレーニングでは、例えばどのようなトレーニングをしている?わかりやすく言うと、体幹トレーニングやスタミナ、瞬発トレーニングが主なんですけど、氷の上につながるような体作りが必要なので、むだな筋肉は増やせないので。フィギュアスケーターはジャンプも跳ばないいけないので体は維持しつつ、身体能力を上げるようなトレーニングを主にやっています。Q.ショートで110点という目標を話していたが、マリニン選手との点差も意識?もちろんです。やっぱり去年の世界選手権で、点差が明らかになったので、そこを詰めていく練習をしなければならないんだというふうに思っていますし、今、1点あげるだけでもすごくやっぱりきついスポーツなので、本当に日々の努力が大事になってくると思うんですけど、そこに向けて1試合1試合丁寧に意識しながら頑張りたいなという気持ちでやっています。Q.点差が結果として出たときにはどのように受け止めた?最初は「ちょっとこれ、今後勝てるんだろうか」というような思いはもちろんありましたけど、まあでもそんなことばっかり考えていても勝てる事はないので、自分が自分を更新していくために必要なことというのを、試合が終わった後にチームで考えて、そこからマリニン選手に対抗できるための作戦作りというのをしていきました。Q.チームはポジティブな方向に向かっている?そうです。Q.日本のフィギュア界について。宇野さん、羽生さんが引退して、鍵山選手が今の男子をけん引している意識は?宇野選手が引退したのはすごく寂しいんですが、かといって、僕自身が宇野選手の代わりになれるということはできなくて。僕1人で今後日本を背負っていくなんていう気持ちはまったく今はなくて、どちらかというと今はみんなで必死に競いあって、フィギュアスケート界を盛り上げていくのかなというふうに思っているので、1人みたいなのはまったくないです。Q.フィギュアスケートの盛り上がりについて。ご自身はバレーボールを見に行くことがあると思うが、その競技を見ることによって何か感じることがある?それぞれスポーツにいろんなやり方があったりしますけど、僕らにできる事はとにかくパフォーマンスをすることだけなので。そんなに何かほかのことをやらなくちゃというのは考える必要はあまりないのかなと思ったりもしています。とにかくみんなで切磋琢磨してみんなで競いあって、フィギュアスケートの魅力が少しでも皆さんに伝わればいいのかなっていうふうに思っています。Q.(父の)正和コーチについて。現時点で練習でどのような指摘を受けている?今は新しく何かを教えてもらう事はあまりなくて、もちろん僕自身、金を取りたいとか、マリニン選手に勝ちたいという話は伝わっていると思うので、それに対して一緒にやっているんですけれども、調子が悪い時とかは細かい技術に関して教えてくれたりとか、今後の方向性について、「もっと点数を上げていくために、やっぱりフリップは必要だよね」とか「フリーはフリップ2本でもいいんじゃない」とか、そういう話をしたりとか「セカンド4回転やってみたら?」とかそういう話をしたりするので、情熱的な指導ももちろんしてくれますし目に見えないアイデアも出してくれるので、ありがたいなと思っています。Q.セカンド4回転は「むちゃぶり」?最初に言ったんですけれど、できるかなみたいに言ったんですけど、できるんじゃないみたいに言われたり「優真だったら絶対にできると思うよ」と言ってくれたので、じゃあできるんだなって言うふうに思っています。Q.信じてくれている?今までずっとスケートを始めてから、ずっと僕のことを見てくれているので、そういうふうに見えているのかなというふうに思います。自分に期待してくれてるのかなと思います。Q.ずっと客観的に見てきた存在、新しい別の視点でアドバイスをくれる感じ?自身は映像では見られますけど、ふだんの練習を客観視することはできないので、意外と自分が思っているよりも、できそうなことだったりとかそういう新しいことというのはや周りが見てもらわないとわからないことだったりするので、そういう新しい発想をくれるというのは、僕自身もすごくうれしいですし、チャレンジ意欲が湧いてくるようなそういうスケートの楽しさっていうのを知ることができます。Q.自身にとってNHK杯が例年グランプリシリーズの2戦目になることが多いと思うが、今回は初戦となる。準備として変わることは?自国開催となるとすごく気合も入るので。グランプリ1戦目ではあるんですけれども、中途半端なものは見せたくないので、1戦目からプログラムを仕上げていけるようにしたい。日々頑張りたいなと思うのと、そんなに何か特別なことは考えていないですけれども、オリンピックのプレシーズンではあるので、このグランプリシリーズからオリンピック予選が始まるというような意識で本気で取り組みたいと思います。Q.見ている視聴者の方に意気込みを。鍵山優真です。いつもたくさんの応援ありがとうございます。NHK杯では自分のパフォーマンスの情熱が皆さんに伝わるような演技をしたいと思います。ぜひ応援よろしくお願いします。
坂本花織 3回目のNHK杯制覇目指す
《経歴》神戸市出身 2000年4月9日生 NHK杯:2年ぶり4回目(優勝2回)世界選手権3連覇中。昨シーズンは出場した全大会で優勝するなど、現在の女子フィギュア界をけん引する存在。オリンピックのプレシーズンとなる今シーズンは、あえてフリーのジャンプの構成を変更し可能性をさらに広げるシーズンにしたいと意気込む。
Q.シーズン初戦を終えて手ごたえは?今まであまりチャレンジシリーズの試合までにノーミスをしたことがなくて、本当に不安だらけでどうなるかわからないという状況だったんですけど、ショートに関しては作ったのが5月だったので、だいぶちょっとドリームでもお披露目したりというのもあったので、感覚がノーミスでできたりというのも、ちょこちょこあったので。不安は不安なんですけど、今までに比べたらちょっと軽減されたかな、くらいで挑めたので良かったかなと思っています。フリーは完全に完成したのが7月末だったので、1か月半くらいでできる最大のところが試合だという感じだったので、結果に関しては妥当だったなという感じです。Q.オフに力を入れて取り組んできたところは?技術の方ではそんなにはないんですけど、オフになるとどうしてもシーズンの疲れだったり、今までシーズン中は我慢していたところがオフに爆発するんですけど、ことしはオフに怠けすぎないように、シーズンオフだけどトレーニングは欠かさずやったりとか、オフになるとリンクが減ってしまうので、練習量も必然的に減ってしまうですけど、それでもそれなりに調子が落ちずにできるようにしようと。今までよりは落ち切ってはいないと思うので、そこはことしのオフは特に考えたことかなと思います。Q.世界選手権3連覇の後のオフ。気持ちの面で途切れずにここまで来られた?基本的に途切れずに来られて、前の世界選手権もそうですし、ことし3月にあった世界選手権もそうなんですけど、パーフェクトで終われていないので、ショートのフリーをどこか結果的にはやり切ってはいるけど、どこかちょっとだけ悔しい気持ちとかもあったので、それがやっぱり燃え尽きてシーズンで休み切らずに過ごせた要因ではあるかと思うので。もちろん完璧にやりたいですけど、それのおかげで今まだ気持ちが途切れずにできているのかなと思います。Q.グランプリシリーズ、今シーズンショートはどんなテーマ・プログラム?ショートは競技で初めてのタンゴで、ちょっとオリジナリティーのあるタンゴで、先生と作り上げてきたタンゴなので、力強い、かっこいいところをお見せできたらいいなと思っています。Q.フリーはどういったプログラムでどういう見どころが?フリーはシカゴなので見せるというのがすごい大事になってくるプログラムになっているので、プログラムにジャンプが溶け込んでいるような見せ物というか、見ていてお客さんとかも引き込まれるような演技ができたらいいなと思っています。Q.観客としてはほんとにブロードウェイにいるような気分?そうですね。Q.フリーについて、昨シーズンからシーズン初戦にジャンプの構成を変えてきた。現時点でこういう構成で行きたいというジャンプ構成は?ジャンプだけでいいですか。最初にダブルアクセルで、その後がトリプルルッツ、3個目がアクセル・オイラー・サルコー、今は次が3・3のフリップ・トーで、ルッツ・トーの3・2、フリップ・ループと言う構成です。Q.ルッツ2本となると、これまでよりさらに難度が高い構成になると思う。構成を上げてきたいというのはどういうねらいがあってのこと?今までフリップとトーループの2本でやっていたんど、それである程度ここまで出るなというのは把握できたので、ちょっと構成を変えて基礎点を上げるとどうなるんだろうというのを試しにやってみたかったので。そうですね、ちょっとチャレンジしてみようと思っていました。Q.ジャンプの構成を変えるのは坂本さんみずからのアイデア?そうですね。先生には「来年はルッツ2本で行きたいです」と言ったら「じゃあちゃんとルッツをルッツにしないとね」という話になって。Q.坂本さんの場合は、毎年跳ぶ順番が変わることがあっても、全体的なジャンプ構成をここ数年は変えてこなかった。それで世界の頂点に立てる点数が取れてきたわけで、完成形の構成だと思っていた。それを一度変える怖さは?怖いですけど、何かできないことをできるようにする。そして、できたときに「すごいできた」という喜びがあるので、それをもう1回味わいたいなって思って。怖いというよりは楽しみの方が大きかったので。たぶん怖かったらやめているかな。相当怖かったらやめていると思うんですど。たぶん練習すればできなくはないので、たぶんできないものをできるようにするために精一杯練習するだろうと想定して、構成変えてみようかなみたいな感じで変えました。Q.坂本さんの場合は3年連続世界女王。チャレンジシリーズでもアメリカ勢の新しい選手などどんどん点数を上げてきたりしてると思うが、基礎点を上げなきゃいけないみたいな危機感も中にはあったりするんですか?少なからずそれもあって、ことしからこう、シニアに上がってきた選手もいますし、オリンピックシーズンからシニアに上がってくる選手もいるので、そうなるとジュニアから上がってきた選手って本当に勢いがすさまじいので、なんかちょっとでも1点でも0.1点でも勝てるようにしようと思うのであれば、基礎点を上げておきたいなというのもあったし、それを完璧にこなせたときに前の構成とどっちが点数が出るのかなというので、次のシーズンに向けての戦い方も選択肢が増えるのはすごい良いことなので、自分の可能性を広げるためにも基礎をあげることを選んだというかそんな感じです。Q.選手にとってはどの大会も大事だと思うが、ことしがオリンピックのプレシーズンでいろいろ試すにはいい年?そうですね。固定してしまうとミスをしまったときにリカバリーが難しいので、その試合で1発、例えば単発のジャンプでミスするのは大丈夫なんでけど、コンビネーションとかでミスをしてしまうと、どうしてもかぶらないように考えて動くと、今まであまり練習したことがないジャンプもやろうとするんですよ。そうなるとやっぱりコンビネーションにしようと思っていたジャンプの1つ目のジャンプでミスをして、結局コンビネーションつけられなかったというのが今までの経験であったので、練習でできていて損はないなと思って、リカバリー力も足せるようにいろいろ試してみるのもありかなと思って、ことしまでは、まだいろいろ試せる時期でもあると思うので試している状況ですね。Q.フリーのジャンプを変えた新しい構成で、現時点で鬼門になっているジャンプや苦戦しているところ、課題としてあげるとしたらどこがある?オイラー・サルコーを今まで1度も試合で入れたことがなかったので、1回1回の練習で曲なしで練習だけで跳ぶのはできるんですけど、なかなか曲に入れようとなると今までどうやって跳んでいたっけとわからなくなる感じがあって、それが今は1番鬼門かなぁと思います。Q.冒頭のダブルアクセルですさまじい過程のジャンプをいつも跳んで、その後に来る大きい加点のジャンプにもなる?今まではアクセルが来て3・3が来てという感じだったですけど。空きすぎずに得点源になるジャンプがまばらに散らばっているので、構成的にはいいんじゃないかなと思います。Q.ルッツはジュニア時代までさかのぼると、エッジのエラーで苦しんでいた時期も一時期はあったと思うが、今回ルッツを2本入れることについては?もっと前はシニアに入ってからもう数年は、やっぱりショートもルッツ入れずにフリップとループでやってきたんですけれども、ショートにルッツを入れるようになって、その時の不安よりは、だいぶルッツに対しての抵抗というのがなくなってきたのかなと。ことし2本入れても、そこまで2本ともエッジついちゃったとか、なんかルッツばっかりのことになっちゃうこともなくて、その前よりは慣れているかなという感じがします。Q.練習でもクリーンに跳べている?そうですね、割とルッツになる回数も増えてきているので、何か練習の成果が出るとすごいうれしいですね。Q.表現面について。マリーフランス先生とタッグを組むのも3シーズン目となり、今回シカゴを演じるにあたって、どういうアドバイスを受けている?「とにかく魅せる」と言うので、魅せるパートがちりばめられていて、最初もそうだし、ステップコレオで何か途中、ジャンプに向かっていくところも、曲の歌詞に合わせてやる動きも多くて。今まではジャンプのことでいっぱいいっぱいになっちゃっていたんですけど、ことしは本当に魅せる方も大事にしていかないといけないので、魅せるにあたってどうやって魅せるかというのを、本当にすごい自分で考えないといけないなと思っているので、それがすごいよい勉強になっているなと感じています。Q.元のシカゴという演目の解釈も同じだと思うが、ロンバルディア大会から帰国して字幕で見ようかなという話もあったが見た?まだ見られていないです、ハハハ(笑)。今、模索中ではあるんですけど、音ハメとかも多いですし、映画の雰囲気とかもあるので、自分ではこういう風にできたらと思ってやっているけど、客観的に見たら全然伝わってこなかったっていうのも多いので、しっかり映画も見返して、自分のやっている演技を見返して、どんどん良いプログラムになっていくようにできたらいいなと思っています。Q.観客を魅了する魅せ方について。これまでとは手や指先のエレガントな使い方や呼吸の事やそういうアドバイスを具体的に受けていたと思うが、今回見せる演技にあたっては何か具体的なアドバイスを受けている?視線かな思います。見つめられると、ジャッジさんもこう「ドキッ」とするというか、自分は動じないぞという。その言葉にはスケートはそもそもことばを発さずに表現するものなので、それをより強化していくというか、目で訴えるのも表現の1つだから動きもそうだし、視線も合わせるパートが本当に多いので、そこでジャッジをチラチラと見るんじゃなくて、1人を決めて、もう「ど直球に行きなさい」みたいな感じで言われました。Q.あまりそれまでやったことがない?そうですね、基本的にジャッジさんは怖いので…なるべく目を合わさないようにしていた側なので、自分的には、結構、びびっているんですけど、そこに、打ち勝たないと見せることもできないので、本当に勝負でします。Q.スケート靴のエッジで切るようなことはあったが?切ることはあったけど見ることはなかったので、目を見るように見られるようにがんばります。Q.そういうアピールも採点競技という意味ではジャッジの印象を高める上で大事?そうですね。コンポーネンツ(構成)の部分がより重視されるようになって、音楽性とか、それとどれだけ合っているかというのも点数に響きやすくなっているので、そういうちょっとした部分もすごく大事になっているというのも、ファイブコンポーネンツからスリーコンポーネンツに変わってより試合で思うので、試合を経験してすごく思うので、ことしはそこもしっかり上げていけるようにしたいなと思っています。Q.髪の色を金色に、どういう意図で?意図はあまりなくて、もともと毛先から3分の2位までブリーチ。2回していて、何かグラデーションみたいな感じにしていたですけど、色を入れていたらそこまで気にならなかったんですけど、どうしても色が抜けてくると、なんか「黒・金」みたいな状態になってめちゃくちゃ典型的なプリンみたいな感じになっていたので…それをなくそうと思っていったん、きれいにしようと。色を抜いて金髪にして練習行ったら誰か気づかれなくて…誰やろあの人みたいになって、かおちゃんやったみたいな感じだったんですけど。でもなんかみんなシカゴに合わせたのとか言われて、「確かに」と思って後々気づきました。Q.後からそういうことに?そういうことにしています。ハハハハハ(大笑)。Q.今シーズンはオリンピックのプレシーズンで大事なシーズン。改めて目標を。ことしは本当に自分をしっかり知って、ことし経験したことをオリンピックシーズンにつなげられるようにしたいと思っているので、とにかく自信とか、いろんな不安もすべて自分のことを知って、全部自信に変えて来シーズンにつなげられるような1年にしたいなと思っています。Q.去年は世界選手権と全日本で優勝と具体的な目標を上げていたシーズンだった。今シーズンは?もちろん全日本、世界選手権は1番、目指している部分ではありますし、もちろんグランプリシリーズ、ファイナルも勝っていきたい気持ちはあるけど、それよりも来シーズンのオリンピックシーズンにつながるようにという方が今は気持ち的には強いです。Q.3年前の北京の時のインタビューでは「追われるよりも追うほうが気持ちいい」良というような話をしていた。それから3年間、ずっと追われるような立場で勝ち抜いて勝ち続けてきたと思うが、今の女子のフィギュアのトップという立場には、気持ち的に自身の中では“そしゃく”できるになってきた?そうですね。前よりは、だいぶ慣れてきたかなと思うんですけど、どこ行っても「世界チャンピオンやから」というのがまずつくので、そのたびにちょっとだけ「びくっと」するんですけど。3連覇もすると、なんかいろいろな感情が芽生えるというか、慣れてきたなとも思うし、前みたいに「そんな、そんな」みたいな感じにもなるし、なんだろう…回数を重ねれば重ねるほどいろいろな感情が湧き出るようにはなりました。Q.今シーズンは、その座を守り抜くチャレンジというよりは、自分を知って新しい構成に挑む、挑戦のシーズンになりそう?そうですね、そっちの方がいろいろな引き出しも作れると思うし、オリンピックに向けてその可能性を広げていきたいと思っているので。このオリンピックまでのシーズンが本当にチャレンジできる時期だと思うので、ことしそれをしっかりやって、どう戦うかを固めて行けたらいいなとすごく思います。Q.NHK杯に向けての意気込みは?NHK杯、自国開催なので、どのグランプリよりも多分1番緊張するかなとは思うんですけど。でもお客さんのその声援というのが1番伝わりやすい試合でもあるので、その声援と拍手が私の自信にもなっているので、本当にたくさん応援していただけると大変うれしいです。精一杯がんばりますので、応援よろしくお願いします。