京都市で発生した衝撃の事件が、中国国内でも大きな波紋を呼んでいる。6月6日、団体旅行で訪れていた37歳の中国人観光客が、同じツアー参加者から刃物で切り付けられるという事件が発生した。幸いにも被害者は命に別状はなかったが、犯人が中国人であることが明らかになると、SNS上での反響は一層大きくなった。
事件は、ツアー参加者同士の口論が発端となった。被害者が声の大きさについて注意をしたところ、突然襲撃を受けたという。現場では中国語での口論があったとの証言があり、犯人が中国人である可能性が高まっていた。京都府警は18日、旅行案内会社を経営するタオ容疑者を殺人未遂の疑いで逮捕した。タオ容疑者は取り調べに対し、何も話さないと述べている。
この事件は、中国国内のメディアでも大きく報じられた。あるブロガーは、犯人が捕まったことを「良い知らせ」としつつも、その犯人も中国人であることを「悪い知らせ」として投稿した。ネットユーザーからは「やっぱりそうだったか」という声や、「日本に対して文句が言えなくなる」といった複雑な反応が寄せられている。
中国では、観光立国を掲げる日本の治安への影響が懸念される中、事件の発生が観光客の増加に伴うトラブルを浮き彫りにしている。観光客が増えればトラブルも増えるのは当然であり、特に同国人同士の事件が発生することで、日本の観光地の評判が損なわれることを危惧する声も上がっている。
また、国内メディアの報道姿勢にも疑問が呈されている。最初は日本で中国人が襲われたという部分が大きく取り上げられたが、犯人が中国人であることが判明すると、報道のトーンが一変した。こうした情報操作は、逆に不信感を生む要因となっている。
中国人観光客の質が問われる時代に突入した今、政府は観光客数の増加だけでなく、受け入れの質についても真剣に考える必要がある。観光立国を目指す日本にとって、治安の維持と観光客の質の向上は今後の重要な課題となるだろう。